- 出演者
- 池上彰 トラウデン直美
オープニング映像。
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- 広島県
今回、1988年放送「NHK特集 夏服の少女たち ~ヒロシマ・昭和20年8月6日~」を再放送。原爆投下までの数か月、広島の少女たちの青春をアニメとドキュメンタリーでつづった番組。スタジオゲストはトラウデン直美。大学時代、1人旅で広島に行ったことがある。
昭和20年8月6日、人類史上初めての原爆が炸裂し、広島の街は一瞬にして破壊され、20万人以上の人々の命が奪われた。広島県立広島第一高等女学校でも大勢の生徒が原爆の犠牲となった。亡くなった生徒のうち、広島市の郊外から通学していた1年6組の生徒・森脇瑤子さんの日記が今も遺っている。書かれることがなかった8月6日のページには終戦後に戦地から戻った父親が自作の「娘愛し」という詩を書き記している。
昭和20年4月の出来事をアニメーションで紹介した。主人公は広島県立第一高等女学校に入学した森脇瑤子。父は通信兵として中国に出征していて、母と娘だけで広島で暮らしていた。
森脇瑤子さんの日記に書き添えられた「娘愛し」の詩は音楽教師だった父・中さんが作曲したもの。中さんは夢で瑤子さんをよく会うと話した。広島県立広島第一高等女学校は、戦後、広島県立広島皆実高等学校に変わった。校長室には森脇瑤子さんたちの共通の遺品ともいうべき生徒日誌が遺されている。
昭和20年6月の出来事をアニメーションで紹介した。戦時中、広島第一県女で授業として行われた夏服製作。当時は布地が不足しており既製品が手に入らず、1人1人がお古を持ち寄って夏服を作ることになった。ただ、「白は敵の飛行機に目立つ」という理由で中止に。当時の広島には本土決戦に備えた西日本総司令部があり、軍需工場なども多かった。警報で授業が中断され防空壕に入ることも。
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昭和20年7月の出来事をアニメーションで紹介した。このころ、生徒のほとんどは軍需工場などに動員された。農村でも人手が足りなくなり、多くの少年少女たちが動員された。その多くは親元を離れて生活していた。
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森脇瑤子さんの日記には、父の異なるきょうだい・細川浩史さんのことが綴られていた。細川さんは悲しい記憶を蘇らせる瑤子の日記を決して見ようとはしなかった。しかし、ことし60歳になる細川さんはようやく日記を紐解く心境になったという。2人の母・雅枝さんは瑤子さんの手がかりを求めて原爆投下後に広島入りも、そこで被爆。同様の境遇で被爆した人は多数。雅枝さんは昭和55年に亡くなっている。父・森脇中さんは現在、音楽教師に。子供たちの歌声が娘を失った悲しさを忘れさせてくれるという。
昭和20年7月下旬の出来事をアニメーションで紹介した。このころ、生徒たちが自分で作った夏服が完成。
「8月5日、昨日おじが来たので家が大変にぎやかであった。いつもこんなだったらいいなと思う」などと書かれた森脇瑤子さんの日記はこの日で終わっていた。昭和20年8月6日、広島ではあちこちで建物を取り壊す作業が行われていた。空襲被害を最小限に留めるため空き地を作るためのもので、学生も多く動員された。その日、動員されていた学生8000人のうち6000人が亡くなった。
昭和20年8月6日の出来事をアニメーションで紹介した。森脇瑤子さんは病を押して「組長としての責任を」と家を出た。朝、当時は貴重だった砂糖水を飲んだ。集合時刻は午前8時。その作業中、原爆が投下された。
昭和20年8月6日、森脇瑤子さんは原爆投下現場から1km離れた避難所で息を引き取った。そのときの様子を知ることができるのは救護に当たった人からの手紙だけ。中さんの手元にはその手紙があった。瑤子さんの遺体は遺族の手で海岸に運ばれ焼かれたという。大下増枝さんと定雄さんは娘の遺品である夏服を広島原爆資料館に収めた。
ここまで、1988年放送「NHK特集 夏服の少女たち ~ヒロシマ・昭和20年8月6日~」を再放送。スタジオゲストのトラウデンは「戦争はあらゆる可能性を断ち切ってしまう その意味をよく考えないと」「核に対する危機感が世界中で薄まっている」などコメント。ある被爆者は「(伝えることは)微力ではあるが無力ではない」と話していたという。最近の米国での世論調査では、原爆投下を否定的に捉える意見が増えてきているという。
広島の原爆資料館。去年、外国人来館者数が過去最多の72万8000人に。展示が訴えかけるのは、核兵器のない平和な世界。被爆80年となる今年夏、新たに40点の遺品が寄贈された。
ここまで、1988年放送「NHK特集 夏服の少女たち ~ヒロシマ・昭和20年8月6日~」を再放送。話題は今後について。トラウデンは「無関心でいないことが大事」「世界の誰かが戦争に巻き込まれているのを想像するだけでも 責任を持って考えることが出来る」などと、池上は原爆死没者慰霊碑の碑文「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから」を引用したうえ「また『過ち』を繰り返そうとしている 二度と繰り返さないようみんなで決意するのが大事」などコメント。
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エンディング映像。
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