- 出演者
- 池上彰 武田鉄矢
オープニング映像。
今回、1995年放送の「NHKスペシャル 老友へ ~83歳 彫刻家ふたり~」を再放送。戦後を代表する彫刻家・佐藤忠良と舟越保武の半世紀を超える友情を描いたドキュメンタリー。スタジオゲストは武田鉄矢。池上と同じく70代なかば。
83歳の彫刻家・佐藤忠良さん。同い年の彫刻家・舟越保武さんは60年来の親友。舟越さんは脳梗塞で倒れ右手の自由を失ったが、作品づくりは続けている。2人は毎年秋の展覧会でお互いの作品を競い合ってきた。
彫刻家・舟越保武さんが脳梗塞に倒れたのは8年前。一命を取り留めるも右手が不自由に。作家生命は絶望的とも思われたが、入院中の舟越さんを支えたのは親友・佐藤さんからの手紙だった。佐藤さんは「元気な自分が見舞いに行くと気持を乱すのでは」と考え、手紙だけを送り続けた。舟越さんは退院後、掛け軸に書いた手紙を贈った。佐藤さんへの感謝の旨が綴られている。
彫刻家・舟越保武さんは脳梗塞に倒れて以来、秋の展覧会に向けて年に1点だけ作品を作るようになった。夏は体力を整え気力を高めてアトリエに向かう。後遺症で右手は使えず、左手だけで作品づくりに挑む。目指すのは自身が創設に関わった協会が主催する展覧会。ふつう粘土を足して形を作り上げるが、後遺症のため舟越さんは削り出しながら作っていく。作品の題は「その人」。
彫刻家・佐藤忠良さん。友人の舟越保武さんとは近くに住んでいるが、2人とも照れ屋同士で会うことはめったにない。舟越さんとの出会いは昭和9年。長屋で共同生活を始め、反アカデミズムを掲げて新制作派協会彫刻部の創設に参加。以後、毎年の新制作展で作品を競い合ってきた。2人とも最高の栄誉である高村光太郎賞を受賞するなど評価されている。受賞などは佐藤さんのほうが先であり、舟越さんは「いつも左前方30度を歩く男」と表現する。
病気の後遺症で右手が不自由となっても作品づくりを続ける彫刻家・舟越保武さん。制作は体力との勝負。この日は思うように進まず、30分ほどで中断。アトリエには左手だけで作れた彫刻が置かれている。締切まで1週間、佐藤さんの作品づくりも佳境。完成間近、作品に異変が。垂直に立つべきはずが傾き始めたという。
病気の後遺症で右手が不自由となっても作品づくりを続ける彫刻家・舟越保武さん。銀座はお気に入りの街で、今も2週間に一度は散歩する。行きつけの帽子屋、喫茶店などを巡る。アトリエではモデルを使わず、行き交う人々の顔を眺め制作のヒントにしている。
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- 銀座(東京)
彫刻家・佐藤忠良さんと舟越保武さん。佐藤さんが忘れられないのは60年前のこと。故郷・札幌へ向かう夜汽車に乗っていたところ、彫刻家を続けられるかどうかを悩んでいた。真夜中、舟越さんの故郷である盛岡駅に到着。舟越さんがホームで待ってくれており、その瞬間が忘れられないという。お互い言葉にはしなかったが、2人の間で彫刻家を続ける決意を確認できたという。
彫刻家・佐藤忠良さん。8月の展覧会に向けた作品づくり中、3か月がかりで作り続けてきた作品の一部が損壊。毎年2作品を出展してきたが、今年は1点のみに。病気で制作を中断していた舟越さんは1週間ぶりに作品づくりを再開。この日も15分足らずで中断。締切が迫る中、苛立ちの表情を見せる。
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- 新制作展
彫刻家・佐藤忠良さん。8月の展覧会に向けた作品づくりが行き詰まる中、親友・舟越さんの代表作「26殉教者記念像」を見るため長崎を訪れた。作品づくりに要した4年半、舟越さんはアトリエに寝起きしひたすら像に向き合った。舟越さんの今年の作品は完成したが、顔の額のあたりに十字を刻み込んだ。「最初に引いた基本線に戻らねば」と自分に言い聞かせる意味合い。完成後は体調を崩し、外出できなくなった。
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- その人長崎26殉教者記念像長崎県
彫刻家・佐藤忠良さんと舟越保武さん。秋、2人の美校時代の同級生・昆野恒さんの遺作展が開かれた。佐藤さんが舟越さんを誘い、2人が1年ぶりに再会。2人で作品を見て回り、新制作展について近況報告。この数日後、舟越さんは日記に「皆の愛おしみに守られて 私は嬉々として生きいる」などと記した。
東京・上野で開かれた第59回新制作展。創設メンバーでもある佐藤さん・舟越さんは毎年出品している。今年、佐藤さんはトラブルのため小さな像1品のみ出展。舟越さんは左手だけで作った顔の像を出品。額には十字の線が刻まれている。2人は出会って60年。競い合い支え合いながら歩き続けてきた。
ここまで、1995年放送の「NHKスペシャル 老友へ ~83歳 彫刻家ふたり~」を再放送。舟越さんが佐藤さんを「いつも左前方30度を歩く男」と表現していたことについて、武田は「正面の風景を塞いでいない」と解釈し、「うまくいっていない時のほうが良い関係になっている」などコメント。海援隊のメンバーは学生時代からの友人。その関係を「友達を通じて自分の正体が分かってくる」と表現。友人・西田敏行との関係については「無名の頃に意気投合したライバル」とした。舟越さんは番組放送7年後に亡くなっている。
ここまで、1995年放送の「NHKスペシャル 老友へ ~83歳 彫刻家ふたり~」を再放送。舟越さんも佐藤さんもすでに亡くなっているが、2人の作品は同じ場所に置かれている。舟越さんは生前に「たまたま同じ世に生まれ、殆ど同じ道を歩いて良き道連れになった」と、佐藤さんは「まったく異なった性格だったが それがかえって1つのレールになれた」と語っている。
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