- 出演者
- 池上彰 古田敦也
オープニング映像。
今回、1998年放送「ドキュメントにっぽん 瀬戸際の一手 ~棋士 米長邦雄 54歳の闘い~」を再放送。史上最年長の49歳11か月で名人となり「中高年の星」と呼ばれた将棋棋士の米長邦雄が引退を覚悟して挑んだ大勝負に密着したドキュメンタリー。スタジオゲストはプロ野球元ヤクルト選手・監督で将棋好き(アマチュア三段)の古田敦也。
将棋の名人への挑戦者を決めるA級順位戦。10人の棋士が1年にわたり9局のリーグ戦を戦う。A級の座を26年間守り続けてきた米長邦雄九段は陥落の瀬戸際。現在54歳、これまで19のタイトルを獲得、1000勝をあげている。今季はここまで不調で、陥落すれば引退する覚悟。
将棋の名人への挑戦者を決めるA級順位戦。54歳の米長九段が残留をかけて戦う第7局で対するは羽生善治四冠王。米長九段は対局20分前に現場入り。今季初めて和服で臨む。深夜に及ぶ戦いに備え2リットルの水を持参。残留するには残り3戦で最低2勝が必要。対局開始は午前10時。米長九段の将棋は強気の攻めが特徴。中盤から攻めに出たところ、意表を突く一手を打たれ劣勢に。羽生は現在27歳。
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- 千駄ヶ谷(東京)
将棋の名人への挑戦者を決めるA級順位戦。54歳の米長九段が残留をかけて戦う第7局で対するは羽生善治四冠王。米長九段の将棋の特徴は終盤から豪快に攻める「泥沼流」。41歳で四冠王になるも2年後にタイトルをすべて失う。若手からの研究に対応できなかったためで、以来自宅に若手を集めて研究会を開くようになった。プロ入り直後の羽生もこれに参加。49歳11か月、史上最年長で名人を獲得。その名人の座を奪ったのが当時勢いがあった羽生。支えにしてきたのは羽生が18歳の時に書いた言葉。「勝負の世界では消極的な姿勢になるのが一番怖い」「前進を目指さぬ限り後退が始まる」というもの。
将棋の名人への挑戦者を決めるA級順位戦。54歳の米長九段が残留をかけて戦う第7局で対するは羽生善治四冠王。対局11時間、劣勢の米長九段は不利を承知で攻めに出る。米長の読み通りの展開になり、犠牲を放置して攻めを続ける。
将棋の名人への挑戦者を決めるA級順位戦。54歳の米長九段が残留をかけて戦う第7局で対するは羽生善治四冠王。米長の優勢で迎えた局面、103手で羽生が投了。14時間の死闘に勝った米長に笑顔はなく、頬はこけていた。羽生は「これで負かされたならしょうがない」と対局を振り返る。米長の帰宅は午前2時。缶ビールでささやかな祝杯をあげ、羽生を手本に作り上げた将棋で羽生に勝った喜びに酔いしれていた。
将棋の名人への挑戦者を決めるA級順位戦。残留がかかる54歳の米長九段はここまで3勝4敗。残留を争うのは残り3人、うち1人が陥落する。米長の次の相手は今季好調の井上八段。米長は研究の合間、庭で鳥に餌付けをする。「勝負は天に任せる」との思いによるもので、鳥が集まると福や運も集まるという。「将棋も人生も最善はない」「やりたいことをやる」と話す。対局は大阪で行われる。米長は4日前に東京を離れ温泉で体調を整えた。井上は守りの将棋が得意で、これまでの戦績は互角。序盤は米長が劣勢。
将棋の名人への挑戦者を決めるA級順位戦。残留がかかる54歳の米長九段が対するは今季好調の井上八段。序盤から劣勢ながら攻め続けていたところ、形勢判断を誤ったことに気づく。井上からの反撃に対応しきれず、前の羽生戦の3分の2の手数で投了。ここまで3勝5敗、米長以外の降格候補はそろって勝利し残留に後がない状況。残留できる条件は最終局に自身が勝ち、なおかつ順位が下の井上が負けること。
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将棋の名人への挑戦者を決めるA級順位戦。残留がかかる54歳の米長九段は後がない状況。最終局前に訪れたのは奈良・唐招提寺。名人になった頃から度々訪れている。最終局でかかるのは26年守ってきたA級の座。前日から会場に泊まり対局に臨む。最終局は5つの対局が同時の行われ、名人挑戦者と陥落者が同時に決まる。残留できる条件は最終局に自身が勝ち、なおかつ順位が下の井上が負けること。米長の相手はライバルで58歳の加藤一二三九段。序盤は加藤の攻めを凌ぎ続け中盤から反撃。
将棋の名人への挑戦者を決めるA級順位戦。残留に後がない54歳の米長九段はが対するは加藤一二三九段。最終局は5つの対局が同時の行われ、名人挑戦者と陥落者が同時に決まる。控室では棋士や記者が待機し情勢を検討している。米長の残留条件は最終局に自身が勝ち、なおかつ順位が下の井上が負けること。それによると米長優勢、井上は五分五分。先に決まったのは井上の勝利。この瞬間、米長の陥落が確定した。その4分後、加藤が投了。記者からの取材で陥落を知った。4勝での陥落は史上2人目。来季からB級に出場しないことを決め、その理由を「熟年離婚」「新しい生き方を探す」と話した。夜に飲んだのは「負けた時に飲む」と以前から言っていたワイン。
将棋の名人への挑戦者を決めるA級順位戦。残留できなかった54歳の米長九段は来季からB級に出場しない方針。この日は米長道場に通った若手40人が集まり閉校式が行われた。これまでは自分のためだけに将棋を指してきたが、今後は将棋の面白さ・奥深さを世の中に伝えていきたいという。
ここまで、1998年放送「ドキュメントにっぽん 瀬戸際の一手 ~棋士 米長邦雄 54歳の闘い~」を再放送。引退したのは03年。トップ棋士を争う順位戦から潔く退いた。ゲストの古田は「引き際の美学もあったのかもしれない」とコメント。羽生善治との対局で勝敗を分けたのは見せた3五銀の一手。羽生が攻めるよう誘い込む戦法だが、番組中のインタビューでは詳細を語らなかった。古田いわく野球でも同じような駆け引きがあるという。米長は40代で若手に勝てなくなり別の若手に教えを請うようになった。著書に「既成概念を捨てれば道は開ける」との言葉を残している。
ここまで、1998年放送「ドキュメントにっぽん 瀬戸際の一手 ~棋士 米長邦雄 54歳の闘い~」を再放送。14年後の2012年、再び勝負の舞台に立った米長。当時は日本将棋連盟の会長を務めていて、対局相手は将棋コンピューター。最初の一手はプロ棋士の対局では有り得ない6二玉。前例のない手でコンピューターのデータを無効化する作戦だったが113手で投了。この年、69歳で死去。
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