- 出演者
- 冨里藍花
オープニング映像。
小学5年生の田村桃花さんは昨年行われた全国大会で日本一に輝いたパルクール界注目の新星である。西区にあるパルクールのジム「MISSION PARKOUR PARK HIROSHIMA」で田村さんはトレーニングをほぼ毎日しているという。幼い頃から運動が大好きな桃花さんはたまたま近所にあったパルクールの体験レッスンを受けたところどハマりし難しい技をクリアしたときの達成感が忘れられずみるみる上達していった。そんな桃花さんのパルクールにおける強みは握る力で勝乗志音コーチは「どの方向から壁を掴みに行っても片手は必ず残るので、掴む力が異次元」などと話した。そんな彼女の目標は“ゴリラみたいになりたい”という。パルクールに必要なのは体の強さだけでなく技が失敗しても折れずに前に進む精神力の強さも必要で、桃花さんにとってその強さの象徴がゴリラだった。今年3月に大会を控えて緊張が続いている桃花さんをリラックスさせようとゴリラに会うための京都旅行をお母さんが計画していた。
翌日、新幹線から京都へ向かい、ついにゴリラと人生初の対面を果たし、その一挙手一投足を1時間にわたりつぶさに観察していた。そして注目したのはその手足の力だった。桃花さんは「あの太い縄を当たり前のように持っている。私が練習でやることを普通にしている」などと話した。桃花さんは憧れのゴリラの動きを取り入れた新しい技を今度の大会で披露しようと決意した。
翌日から特訓を始める。鉄棒で1周回って宙返りして下りる「ゴリラトルネード」を考えた。荒本英世代表は「小学生でクリアした人を見たことがない」と言った。大車輪からひねりを加えた着地を目指す。この日は一度も成功しなかった。その後も毎日練習を重ね、3月31日の大会「第3回 Free Style Competition」当日を迎える。性別や年齢の制限はなく、制限時間20~45秒に障害物を自由に使用してその技のポイントを競う。ゴリラトルネードは見事に大成功し優勝した。暫定1位は桃花さんより6歳年上の松原選手で、18.6ポイント。桃花さんは最初に大技を披露し、インパクトをつけるのが狙い。桃花さんはゴリラトルネードを成功させ、21.7ポイントで優勝した。
神奈川県に住む守屋小梅さんは4歳のときに母の影響でウクレレに興味を持ち、2018年ハワイでの世界的なコンテスト「インターナショナル・ウクレレ・コンテスト」の13歳以下ソロの部で堂々の3位入賞。あれから5年、神奈川・藤沢市江の島で開かれている野外コンサートに出演。2022年にバンドを結成しアコースティックギターを演奏しているが、ウクレレをメインにやっている。国内最大級のウクレレコンテスト「第4回 The Ukulele Contest 4ALL」ソング部門で最優秀賞、さらに国際大会「THE INTERNATIONAL UKULELE CONTEST2022」では堂々の準優勝。ウクレレ界では誰しもが注目する存在。ウクレレとギターの二刀流で音楽の幅を広げている小梅さん。これからの夢について「音楽の教室やったりたくさんの人に教えたりしたい」と語った。
8月開催のパリパラリンピック。2019年当時、高校2年生だった梶原大暉さん。中学校では野球部のエースとして活躍。しかし交通事故によって車いすの生活に。塞ぎ込みがちだった大暉さんが出会ったのは野球で培った身体能力が生かせるパラバドミントン。始めてわずか1年半で世界大会「パラバドミントン国際大会」3位に入賞するほどの腕前。このときの大暉さんの夢は東京パラオリンピックで金メダルをとること。あれから5年、22歳になった大暉さんは現在、パラバドミントン界の若きエースにまで成長。このときの夢、東京パラリンピックで金メダルを見事に実現。快進撃はさらに続き国際大会で破竹の107連勝。現在世界ランキング1位に輝いている。憧れは同じく107連勝の記録を持つ車いす競技のレジェンド国枝慎吾さん。勝利の積み重ねで実力と自信をつけ今年はシングルスとダブルスでパリパラリンピックに出場。大暉さんのさらなる夢はパリで二冠。
5年前に取材をしたのが大分県に住む安藤智彰君。夢中になっていたのがそば打ち。9歳のときお父さんの影響でそば打ちを始めた智彰君。2年後には小学生では初となるそば打ち段位二段に。智彰君の作ったそばはご近所さんに大好評だった。あれから5年。向かったのはそば打ち道場。現在、身長も165cmまで伸び、当時大変そうだったそばをこねる作業にも力強さとスピードが加わった。2023年、史上最年少で最高位である四段の審査に合格。今でも商店街の人々にそばを配りながら全国各地の大会に出場し、豊後高田のそばを広めている。智彰さんの今の夢は「そば打ちの全国大会で優勝し、豊後高田のそばを広める」こと。
静岡・掛川市にある町の駄菓子屋さん「横さんち」。看板娘は高校3年生の佐野夢果さん。彼女はこのお店にボランティアスタッフとして参加し、様々な障がいがあるスタッフの生の声を聞いている。現在、静岡県立掛川東高等学校に通う夢果さんが患っている病気は、手足の筋力が徐々に弱くなっていくという難病、脊髄性筋萎縮症(SMA)。それでも明るくポジティブに。それが夢果さんのモットー。担任は「入学してきた時からいろんなことにポジティブでアグレッシブ。”私はこうだから絶対できない”とか”これ難しいだろうな”っていうところから入らない。一人の人間としてすごく尊敬できる」と話す。夢果さんは3歳の時に病気の宣告を受け、6歳から車いすでの生活を余儀なくされた。父親は「悲しい思いをさせないようにいろんなところに連れて行った」と振り返る。両親が伝えたかったのは車いすでもいろいろなことに挑戦できるということ。しかし高校受験で壁に直面。エレベーターの有無で学校を選べなかった。朗らかな笑顔の下に隠された孤独な心。そんなとき気持ちを紛らわせてくれたのがイラストを描くこと。夢果さんが生み出したキャラクターは恐竜のような妖怪のような愛らしくポップで個性的な生き物たち。その名も”カラフルスライムズ”。12体のキャラクターが持つ際立つ個性。メッセージ性が評判を呼び、Jリーグ・ジュビロ磐田のアウェイギフトに採用。以来、夢果さんは社会の中で受け入れられる自分とは何かを模索してきた。誰もが当たり前に生きていける社会とは何か。夢果さんはイベントや講演会を通してメッセージを発信している。この日は浜松市で行う「車いす夢のデリバリー」の打ち合わせ。「車いす夢のデリバリー」とは障がいがない人が車いすに乗って困っている人々を助けるスタンプラリー。夢果さんが去年から企画を温め続けてきた体験型のイベント。夢果さんの思いに賛同してくれた地元の大学生が集まり実現にこぎ着けた。会場には50人を超える参加者たちが集まった。この日のイベントで多くの築きと笑顔が生まれたようだ。
闘牛が行なわれ、観光地としても知られる沖縄・うるま市に住む仲村梨杏さんは高校を卒業する中で「肝高の阿麻和利」に熱を注いでいる。沖縄版ミュージカルであり、24年前にまちおこしの一貫として旗揚げされ、琉球王国を脅かした勝連城城主・阿麻和利の半生を描いた物語となっている。うるま市在住の中高生だけが参加することを許されるとともに、佐久本宝さんらを輩出し、20万人をこれまでに動員している。梨杏さんに誘われて始めたという声も聞かれ、周りからも熱意を評価されているが、中学時代には東京公演のオーディションに落選してしまう悲しみも味わった。それからはDVDで過去の演目を見る研究を続けてきた。役者たちの修正点は細かく分析され、丁寧に伝えていく。阿麻和利の卒業生たちもボランティアで演技指導を行う様子も見られる。多くの卒業生が卒業後も阿麻和利に関わっていきたいと話す一方で、梨杏さんは卒業後は大阪へと進学する予定であることから賭ける思いもひときわだという。
阿麻和利にすべてをささげた6年間。仲村梨杏さんは演じることで挫折という苦い味も胸が詰まるような喜びも知った。梨杏さんは「阿麻和利は自分にとって生きがい。苦しいことも含めて全部楽しかったし自分にとっていい経験になった」と話した。卒業公演から2週間後、梨杏さんは大阪にいた。この春から大阪芸術大学短期大学部の舞台芸術コースに進学。梨杏さんは、阿麻和利を通して舞台が面白いものだと思い、舞台についてもっと勉強したいという好奇心から選んだという。新たなスタートは「舞台で活躍する役者になって見に来てくれた方に感動を届ける」こと。
エンディング映像が流れた。
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