- 出演者
- 和久田麻由子 江川紹子 壇蜜 金高雅仁
今も未解決となっている殺人事件は378件にのぼる。今回は遺族、被害者たちの言葉を伝え、埋もれた情報を掘り起こしていく。
高羽悟氏(69)は26年前、32歳だった妻を殺害された。高羽氏は仕事で自宅アパートを留守にしていた。事件解決につながればと現場となった部屋を借り続け、家賃の総額は2200万円を超えた。警察は知人を含む5000人以上を聴取したが、大きなトラブルは確認されず、妻といっしょにいた息子さんは無事だった。犯人は犯行時に手を負傷したと思われ、現場に残った足跡から24cm、血痕からB型の女と判明している。
高羽氏は情報提供のたびに事件解決に向けて頑張れるといい、「隙を見せたら捕まえるよというプレッシャーを与え続けたい」と語った。犯人は現在、60~70代とみられ、警察は複数の似顔絵を作成した。
高羽悟氏は「真面目に生きてきても殺人事件の遺族になる」と話す。事件現場の部屋を借り続けているという報道を知って提供された情報もあり、結果は空振りだったが、高羽氏は感謝した。同氏は殺人事件の遺族団体の中心メンバーとして時効撤廃を国に働きかけ、実現させた。世論の後押しもあったからだといい、国会の傍聴席から見た景色は忘れられないという。高羽氏は「なぜ、うちの奈美子が殺されたのか。人間違いではなかったのか、全く動機も分からない」などと話す。
25年10月31日、69歳の女が警察に自ら出頭した。高羽さんの高校の同級生が犯人だった。警察からは「26年間、お待たせして申し訳なかった」と涙ぐみながら言われたという。
2009年9月30日、当時10歳だった男の子が習い事から自転車で帰る途上、車にはねられて亡くなった。4歳のときに父親が亡くなり、母の代里子さんと2人きりで生活してきた。
2009年9月のひき逃げ死亡事件は2029年に時効を迎える。防犯カメラの映像など物証が乏しいなか、市民からの情報提供が頼りになっている。また、多くのひき逃げ事件を捜査してきた小林大地氏は「1台目の車が何らかの方法で男児に衝突して転倒させ、乗っていた自転車が反対車線に。向かってきた別の車が自転車を回避しようと、進路変更した直後、路上に転倒していた男児をひいて痕跡をつけていったと思われる」と語った。衝突の衝撃から事故を起こしたという認識は間違いなくあるはずだという。
- キーワード
- 埼玉県警察
母の代里子さんは事件現場に立ち、道路を通る車のナンバーなどを警察に伝えてきた。また、死亡ひき逃げ事件の時効撤廃を国に求めていて、署名はまもなく15万に達する。心が折れかける時、息子が初めて購入してくれたお土産を支えにしている。命日、代里子さんは地元のラジオ局に出演し、犯人に向けて綴った手紙を読んだ。熊谷警察署にて情報を募っている。
江川紹子氏は「社会のなかで事件は生きている。被害を受けた人たちが悲しみ、社会のなかで存在している」などと語った。26年前に母を失った息子の高羽航平さんは昨年に結婚。伴侶は亡き母の親友の娘さんだった。高羽氏は「どういう理由で自分の家族が殺されたかをやっぱり知りたい」と話す。
エンディング映像。
