- 出演者
- 渡邊佐和子 佐藤二朗 河合敦
オープニング映像。
今回、スポットを当てるのは三好長慶、松永久秀。大河ドラマ「麒麟がくる」で吉田鋼太郎が松永久秀を好演した。また、三好長慶は織田信長より12歳年上で、戦国時代で最初の天下人と呼ばれた。
徳島では三好長慶が大人気で、三好を主人公にした漫画、記念切手が発行されている。三好家は京の都の有力者、細川家の家臣で、長慶の三代前に近畿に進出していた。長慶は下剋上を達成し、畿内を手中に収めることになる。木材、藍などで経済力を有していた長慶は足利義輝と激戦を繰り広げ、都から追放することに成功。領地を拡大した上で、将軍の権威に頼らない三好政権を打ち立てたと言える。
河合敦氏によると、織田信長は三好長慶と似たような政策を行っていて、長慶が将軍を京都から追放したように、信長も足利義昭を追放。また、長慶もキリスト教の布教を認めていた。さらに鉄砲の一大産地とも呼ばれた堺を押さえるなど、鉄砲が戦の行方を左右する重要な要素となると思料していたのかもしれない。
三好長慶は織田信長よりも先に本格的な石垣づくりの城を持ち、故郷の徳島にも城が築かれた。発掘調査の結果、武士の権威を示すような遺物が見つかっている。さらに番組では残された文献などから、多聞城をイラストで復元した。イエズス会の宣教師が驚嘆するほど美しさを誇ったといい、奈良の宗教勢力をおさえる要でもあった。高層櫓にも工夫が施されていたという。
河合敦氏によると、織田信長も三好長慶のように状況に応じて本拠地を変えていて、長慶を成功モデルとして認識していたと考えられるという。続いて、松永久秀にスポットを当てる。三好長慶よりも14歳年上で、茶道具コレクターでもあった。逸話集によると、松永は主君とその息子を弑逆し、将軍だった足利義輝を手にかけた。東大寺大仏殿に火を放つなど、戦国の極悪人とも呼ばれた。現代ではダークヒーローとして人気があるという。
三好長慶が没する前、弟、嫡男である義興が立て続けに命を落としていた。松永久秀が容疑者と考えられてきたが、松永の権力は長慶からの手厚い信頼、義興の後見人という立場に頼るほかなく、両者を殺害することはデメリットしかないという。また、長慶が亡くなった翌年、足利義輝が殺害される。当時の公家の日記を紐解くと、実行犯は長慶の息子である義継、松永久通の息子である久通だった。そして、史料を分析すると、東大寺焼き討ちは長慶の故意ではなかったと考えられる。大仏殿の再建を任された僧侶には手紙を宛てていて、才腕を発揮することに期待を寄せていた。
織田信長に逆らった松永久秀は悪辣に描かれ、江戸時代では誇張もされたという。河合氏は一流の文化人でもあった久秀が最後、火薬を詰め込んだ茶釜とともに爆死したエピソードは信憑性に乏しいと考える。次に番組で取り上げるご到着大名は長宗我部元親。佐藤二朗は子どもが今、最上義光に注目していると明かした。
「とっておきのフランス集めました」の番組宣伝。