- 出演者
- 渡邊佐和子 佐藤二朗 河合敦
今回、はにわを特集する。東京国立博物館で大規模な展覧会が開幕した他、古代人のリアルな暮らしが見えてくるという。
オープニング映像。
スタジオに登場したはに丸に対して、佐藤二朗は「どちら様?」と誰何した。はに丸ははにわの王子で、基本的な情報を紹介。
- キーワード
- 埴輪
「埴輪 挂甲の武人」は埴輪として初めて国宝に指定され、はに丸のモデルにもなった。修復に際して解体を試み、X線によって土の表面に含まれた元素を特定した。赤、白、灰色が使われていたことが分かった。
保渡田八幡塚古墳からはユニークな埴輪の数々が出土し、古代に鵜飼が行われていたことを示す史料にもなるという。はにわを複数配置することで、水の儀式などストーリーが表現されている。かみつけの里博物館の横山千晶さんらははにわに基づいて古墳時代の王の儀式を再現していて、山田大樹アナウンサーも参加。当時、髪型から身分や性別を特定できたという。
スタジオではに丸がクイズを出題。高い身分の人の顔は直接見てはならないと言われ、顔を隠すために翳が使われたという。河合敦氏は高い身分の人が亡くなると、かつて従者がそのまま生き埋めにされたが、悲惨過ぎるということで埴輪を作ってお供えしたという。ただ、このエピソードは創作された可能性がある。
2000年、松阪市の古墳で船形埴輪が見つかった。埴輪は王の権力を象徴するもの、王の御魂をあの世へと運ぶ乗り物と言われてきた。他にも約100点をこえる埴輪も出土。保渡田八幡塚古墳でも埴輪が見つかっていて、5世紀の終わり頃、榛名山で噴火が発生。火山灰は古墳に配置されていた埴輪などを飲み込んだ。その状態で出土し、若狭徹氏は「王が生前に行っていた祭事、儀礼などの場面が絵巻物みたいに一体化したものと考える」と分析する。
多くの埴輪が配置されているのは王の権威を示すものとされていたが、河合敦氏は「王が死後に暮らす理想の館、生活を示している」といった説も紹介した。また、埼玉・鴻巣市には東日本最大級の埴輪窯があり、この窯で焼かれた埴輪が東京、千葉などで見つかっている。埴輪窯近くを流れる川を利用し、各地へ輸送していた可能性がある。
考古学者らは大阪・高槻市にある今城塚古墳には継体天皇が葬られたと推測する。先代が崩御し、後継者が決まらないなか、遠縁だった継体天皇に白羽の矢が立った。即位した時には58歳。ちなみに聖徳太子の曽祖父である。古墳の南側を流れる淀川水系の一体に拠点を構え、朝鮮半島で危機に瀕していた加耶から救援要請があると、派兵した。だが、横槍を入れたのが九州の豪族、筑紫君磐井。地方豪族たちは朝廷に反旗を翻すも、最終的に大和政権が勝利。継体天皇は大和政権の中央集権化を盤石にした。
「歴史探偵」の次回予告。