2025年1月22日放送 22:00 - 22:45 NHK総合

歴史探偵
サムライたちの甲冑(かっちゅう)

出演者
佐藤二朗 片山千恵子 河合敦 
(オープニング)
今回は...

今回、甲冑に秘められた数々のナゾを調査する。

キーワード
大鎧
オープニング

オープニング映像。

(歴史探偵)
スタジオトーク

スタジオには古墳時代に使われていた「短甲」、平安時代から鎌倉時代にかけて使われた「大鎧」、「当世具足」が用意された。佐藤二朗は大河ドラマで大鎧を着用したことがあり、かなり重かったという。また、甲冑の変化は武士の戦い方の変化などと大きく関係しているという。

キーワード
大河ドラマ 鎌倉殿の13人大鎧当世具足短甲
サムライたちの甲冑

春日大社には刀剣や甲冑が数多く所蔵されているなか、厳重に保管されているのが国宝の「赤糸威大鎧 梅鶯飾」。番組では離れた位置からレーザーを照射して大鎧の形状を測定し、高精細な写真データも併用して3DCGを生成。国宝を傷つけることなく、構造を分析することが可能となった。中世の武具に詳しい近藤好和氏によると、馬上から弓矢を放つ、いわば騎射戦で大鎧は最適だという。まず、弓をつがえると左脇腹が無防備となるため、防御性を高める作りになっている。栴檀板で右胸、草摺で腰や太ももを守りつつ、体に沿って自在に動くことも可能。

キーワード
春日大社赤糸威大鎧 梅鶯飾

大鎧の威に注目すると、いくつも模様があり、貴族の装束の配色を模している。佐藤寛介氏は「貴族、公家、王朝文化へのあこがれが武士の中にあり、自らの鎧に取り込んでいる」と話す。

キーワード
東京国立博物館
スタジオトーク

河合敦氏によると、鎌倉時代の武士は日々、流鏑馬などを訓練していた。騎射戦こそ、武士の在り方という考えも生まれたという。また、大鎧のパーツである札は鉄製、革製のものがあり、全てが鉄製だと鎧の防御性は高まるが、機動力は落ちる。革製の札を織り交ぜることで軽量化を図っていた。

キーワード
大鎧当世具足関ヶ原合戦図屏風
サムライたちの甲冑

福山城博物館に所蔵されている「金箔押鯰尾形変わり兜」を紹介。甲冑師の笠井洋介氏によると、頭部を守る部分は鉄製だが、装飾は和紙や革などを漆で塗り固めたものが多く、軽量化を図っていた。異彩を放つ装飾がついた兜は兵士が入り乱れる戦場でも目立ったはずで、円滑な指揮統制につながったと考えられる。また、佐竹義宣が着用した兜は毛虫をモチーフにしていて、不退転の決意が込められているなど、武士たちの思考、考え方が変わり兜から読み取れるという。

キーワード
人色皮包仏胴黒糸威具足佐竹義宣四国大学水野勝成福山城福山城博物館金箔押鯰尾形変わり兜
スタジオトーク

大鎧には貴族に対する武士の憧憬が入っていたが、戦国時代になると、武士としてはかくあるべきといった信条、願いが甲冑に込められているという。

キーワード
大鎧当世具足肩脱二枚胴具足関ヶ原合戦図屏風
サムライたちの甲冑

徳島藩8代藩主だった蜂須賀宗鎮の甲冑から見てとれるのは装飾が絢爛豪華で、大鎧の特徴も備えていた。大鎧は式正の鎧と呼ばれ、古来から武士の正装とされてきた。戦わなくなったからこそ、象徴性が重視されたという。幕末になると、江戸幕府は交易に関する交渉を行うため、ヨーロッパ諸国に使節団を派遣した。立ち寄ったマルタ共和国では地元有力者に助けられ、甲冑が贈られた。ナポレオン3世に贈呈された甲冑も残されている。甲冑は様々な材料、技術を結集した総合芸術で、日本の文化力を象徴しているという。

キーワード
ナポレオン3世フォンテーヌブロー宮殿マルタ共和国上京区(京都)円山応挙徳島市立徳島城博物館本多忠勝蜂須賀宗鎮
スタジオトーク

幕末、西洋化が進むとともに甲冑は姿を消していった。だが、五月人形をはじめ、甲冑にあやかったものは身の回りに存在している。佐藤二朗は甲冑について、「日本文化の根底をなす存在のひとつだと改めて感じました」と語った。

キーワード
奇兵隊
(エンディング)
次回予告

「歴史探偵」の次回予告。

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