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静岡・島田市の青ネギ農家はある困りごとを抱えていた。配達に時間がかかりすぎていた。悩みを減らしたのがちょっと変わった物流サービス。ネギを積んで向かったのが車でわずか5分ほどのところのバス停。ここに持ってくるとあとは各店舗に配送してくれるという。バス停は畑の周辺にいくつも設けられている。農家はバスが立ち寄る時間までに最寄りのバス停に農作物を持ち込む。そしてバスが目的にバス停まで運ぶ。注文した客もバス停で野菜を受け取る。野菜がバス停で乗り降りする。この仕組みを作ったのがやさいバス代表の加藤百合子さん。この日一台のバスが回ったのがスーパーや食堂など15か所。決まった場所に時間通りに運行して物流コスト削減につなげた。さらに、卸売市場経由だとスーパーに並ぶまで数日かかることもあるというが、やさいバスは新鮮なものが届く。利用するビオ・あつみ エピスリー豊橋店の野中光羽さんは、鮮度が非常に良くて風味や食感もいいので人気だと話す。物流効率化でいろんな課題が解決できる。
深刻なドライバー不足の物流業界。常識を打ち破る新サービスが生まれている。物流会社が生み出した物流と医療の融合。活路を見出したのは人口14億人のインド。日本の医療技術がインドの患者を救う。物流会社が製鉄所で新たなビジネスに挑んでいた。製鉄所の副産物がインドの農業を変える。倉庫が近未来の実験場に。ラストワンマイルの自動運転。世界を変える物流の力。オープニング映像。
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パックンは、物流Zという番組を3年ぐらいやらせてもらっているが本当に物流業界のイメージが変わったと話す。困りごと解決が物流かもしれないと語った。
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大阪・中央区で午前9時、あるものが運ばれていた。ドライバーの本荘正高さんは、多いところは6箇所をまわるルートがあると語る。到着したのは大阪国際がんセンター。病床数500床の巨大病院。放込んでいたのは医療機器。彼の仕事は医療機器を運ぶだけでなく洗浄・滅菌の付加価値をつけた物流。滅菌には有効期限があり、有効期限を確認し短いものから取りやすいように並べる。医療現場の作業負担を減らす付加価値がついた物流。この仕組みを考えたのが鴻池運輸。従業員数約2万5千人、国内拠点数182か所。その参加で医療部門を担う鴻池メディカル。部長の玉井孝さんは、洗浄と滅菌は病院の中で1番じかんもかかるし専門性も高い、その中でも看護師資格がなくてもできる業務で、底に会社がフォーカスしたという。今では全国15の洗浄・滅菌施設があり、約1100病院と契約している。物流会社の洗浄・滅菌サービスの工程を見せてもらった。約1時間後、洗浄機での洗浄が終了。滅菌の前に、ハサミの切れ味を確認。さらに治療に合わせたセットづくり。小さな積み重ねで現場の負担を減らす。滅菌は130度の蒸気で行う。滅菌した試験薬を培養器に入れ、金が全て死滅していれば増えることはない。物流会社が始めたこの取組は医療現場のさらに奥まで浸透している。病院内の洗浄・滅菌施設にもスタッフが常駐している。鴻池メディカルの人たちが手術の準備までやっている。手術後の掃除も。他の病院では内視鏡の洗浄も請け負っている大阪けいさつ病院 看護師長の矢尾さち子さんは、洗浄にすごく時間や労力を費やすものも多いので、そこを担ってくれるのは本当にありがたい、本当に助かっていると話していた。
榎戸教子は、物を運びながらもしっかり現場を見て困りごとがないのかを探す目があるからこそ新しいサービスを生み出しているんでしょうね、と話した。鴻池運輸は運輸と名前がついているがちょっと変わった会社だといい、分野別の売上高で複合ソリューションが64.1%。
世界一の人口14億人のインドでそのプロジェクトは始まっていた。2023年5月、インド・ニューデリーのアポロ病院に鴻池運輸の大谷英輝さんが来た目的は「日本のモノがあれば助かったり医療の質を上げられる」「インドの医療を変えていくところをミッションとして頑張っている」という。医療格差が多いインドで、日本の質の高い医療サービスを広め、少しでも多くの人を救おうという。しかしその挑戦は簡単ではなかった。日本とは違うインドの医療事情が立ちはだかっていた。
2026年1月、大谷英輝さんは、最初にインドに来てから10年以上がたつと話す。インドは人口14億人の市場の大きさは世界から熱い視線を注がれている。経済も急成長し、都市部にはオフィスビルが乱立し、急速に近代化している。GDPは今年日本を抜き世界4位に浮上する見込みで多くの外国企業が進出。今年EUと自由貿易協定(FTA)を締結合意。大谷さんの拠点はグルグラムにある。インドの出勤ラッシュのピークは朝9時。オフィスは6階。カルナメディカルは2013年に鴻池運輸がインドで医療部門の仕事をするために設立した会社。代表は大谷さんで社員は日本人2人とインド人6人。取締役の加藤あかねさんはインドに常駐する大谷さんの右腕。なかったものを使ってもらう、その良さを理解してもらうだけでも難しい、認識されてインドに必要だと思われたら継続していくしかないので、そこが一番の醍醐味だと思っていると話していた。インドには日本と異なる医療事情があった。インドの民間の病院と、公営の病院にわけられ、民間の病院は最先端の治療だが高額、公営の病院は限定的な治療だがほとんどが無料。格差が大きいことから使う医療機器も異なる。大谷さんたちがまず取り組んだのはインド医療を深く知ることだった。まず病院のデータベースを作った。そして人脈作り。定期的に訪れるのはデリー医師会。インド進出当初から医師会と強いパイプを作ってきた。 地道に積み上げたデータと人脈。
それでも尚、ビジネスの現実は厳しいものだった。現在、多くの企業がインドへの進出を目指しているが、ここ数年企業数は横ばい。実際はビジネスとして成立せず二の足を踏んでいる。JETRO(日本貿易振興機構) インド総代表の鈴木隆史さんは、輸入制限をたくさんやっている国なので、インド化してビジネスをスタートしないといけないのが定石だという。大谷さんのインド医療事業も12年間赤字だった。しかし13年かけてインド化したおかげで2025年度初の黒字になる見込み。突破口を開いた事業の現場へ連れて行ってもらった。レディー・ハーディング医科大学付属病院は国立大学が運営する公営の病院。SPD India取締役の村上衛さんは、この事業のために大谷さんが日本から呼び寄せた。中にはに沢山の人が座り込んでいたがインドでは日常の光景。家族が入院患者の世話をする。中庭の先にある場所に医療スタッフが使用済みの医療機器を運び込んできた。実は病院内の滅菌施設で村上さんが作ったという。日本で培った滅菌のノウハウをインドに持ち込んだ。この事業に取り組んで2年、いまではインドの3つの病院で院内滅菌施設を運営している。
さらにニューデリー市内には、院外の洗浄・滅菌施設も作っていて、約200病院と契約している。大谷さんがは、2030年までには拠点を広げていきたいなどと語っていた。マネージャーのサントッシュさんは、みんなこの事業に参加できて幸せを感じていると話す。大谷さんたちの事業は働く人のやりがいも育んでいた。日本の滅菌技術がインドに認められた。
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榎戸教子は、 VTRを見て、使命感に溢れた行動だといい、高市政権もインドを重視している、熱い視線を注ぐが現実的には日本企業は入り込めていないという現実もあるようだと話す。鴻池運輸が日本で取り組んでいるのは医療だけではなく、輸出入の物流はもちろん、鉄道の物流など次々と事業を展開している。インド事業を統括するのが鴻池インディア 代表取締役の蓮實一洋さんは、インドと共に成長していきたい、やりがいMAXだと話す。
このあと、舞台はインドの製鉄所。砂の山を宝に変えるアイデア。
2026年1月、インドで新たな事業に挑戦している人に会いに行った。仕事前にストレッチを指導する人が鴻池インディアの大谷潤さん。インドの東に位置するルールケラは人口約80万人の鉄鋼産業中心の工業都市。インドの東部は鉄鉱石が豊富で周辺に大きな製鉄所が集まっている。インドの粗鋼生産量について2030年には3億トンにするとインド政府が公表している。実は鴻池運輸は日本で鉄鋼事業で長く関わり様々な事業を請け負ってきた。そのノウハウで新たな事業を始めようと、8つの製鉄所の一部事業を買収した。手がけているのはスラグ処理。集められているのは全て冷えて固まったスラグ。これを小さくして加工して再利用するのが大谷さんたちの仕事。しかし問題がスラグの山。スタグ処理では大きな塊を小さく砕き、鉄分が多いものは再び熱を加えて鉄を取り出す。しかし鉄分が少ない副産物は殆どが放置されている。日本で道路の材料などに使われている鉄分の少ないスラグ。これをインドで宝に変える挑戦が始まった。ライプールはインドの米どころを呼ばれる農業都市。スタグを使い地元企業と協力して作ったのが土壌改良材(肥料)。個々で畑にまいて効果などを検証している。スラグにはミネラルが豊富に含まれていて、1回巻くと3年間は土壌を改良しながら作物が元気に育つという。今はまだ試験販売中。
首都ニューデリーから車で2時間ほどのハサンプール村にカルナメディカルのメンバーが集まっていた。実はここはカルナメディカルで働く薬剤師の家で、大谷さんたちを家族に合わせたいと招待した。インドでビジネスを成功させるにはインド人スタッフの力が欠かせない。チームの絆を強めるのが大谷さんたちのやり方。チーム一丸となって3年の月日をかけて挑んでいるのが、旭化成メディカルのある医療機器をインドに導入すること。患者から血液を取り出し、フィルター1で血しょうを分離。フィルター2で血しょうの中の病気となる成分を取り出し、残りは体に戻す。必要な成分を戻すため、体に負担が少ないという。この方法で、膠原病や高脂血症などの原因となる成分を体から取り除くことが狩野だという。日本では約30の疾患で保険治療が認められているが、インドではまだ使われていない。大谷さんたちは普及させるための調査をしていた。この日向かったのは、マックス病院(民間)。約束の相手は腎臓外科のクルワント・シン医師。手術の合間に時間を作ってもらった。この病院では透析装置を2台使い似たような治療を手動で行っていたため、互換性を聞いていた。しかしその方法は院内感染のリスクもあるという。大谷さんは装置の技術力をプッシュ。わずか10分ほどだったが興味を持ってくれた様子。お決まりの写真撮影。今後認可が降り次第、実際の装置をインドに運ぶ予定。
去年11月、熊本市をちょっと変わったバスが走っていた。フロントガラスの上にはカメラがびっしり並んでいる。これは熊本市が実証実験をしている自動運転バス。熱心に説明を聞き、真っ先に乗り込んだのは宮崎啓明さん。運転手が監視したところでハンドルやブレーキを自動化している。33台のカメラやセンサーで周囲の人を捉えAIが行動予測している。宮崎さんの勤め先は、物流倉庫の運営会社。東京・大田区平和島の会社を尋ねるとひっきりなしに出入りするトラック。奥行きは実に300m。お大型トラックも余裕で入れる。東京ドーム4個分にもなる倉庫は約100社が利用している。この貸し倉庫を運営しているのが三菱地所グループのTRC(東京流通センター)。なぜ貸倉庫の会社が自動運転の研究をしているのか。理由は特別な立地。羽田空港まで約5km。さらに大井ふ頭まで約1km。陸海空全てのアクセスが良好で、荷物が集めやすい上に配達先の都心にも近い。そのためこの証拠はラストワンマイル配送の拠点となっている。宮崎さんはこのラストワンマイルを自動運転で実現しようと動いている。既にアメリカでは無人の自動運転トラックが高速道路を走り始め、中国でも無人運転で隊列走行する実証実験が進んでいる。日本では高速道路の関東・関西感で自動運転トラックの商用運行が始まっているが、現在はドライバーの同乗が必要。
実現に向けてtRCは積極的に動いている。この日集まっていたのは30社以上の企業。様々な企業の力を借りるため、平和島自動運転協議会を立ち上げた。実現には多くの知恵が必要。協議会の他にもTRC構内での実験などが行われている。社会課題に取り組む姿勢はTR Cの創業当初から脈々と受け継がれてきた。交通渋滞など社会課題解決のため、三菱地所など多くの企業が参画して設立されたTRC。平和島に巨大物流施設を作り公立よく配送することで交通の混雑を抑え込んだ。
そのTRCの物流倉庫で新たな事業を始める企業があった。急いでビールを集めるとトラックに次々と積み込んでいく。カクヤスを運営するひとまいる。カクヤスの店舗ではあらゆる種類のお酒を取り揃えて販売している。ひとまいるロジスティクスの小林武志さんは、最低3往復しているのでここの利便性がすごく高いと話す。首都圏の約200店舗にここから配送している。実は去年、酒販主体から物流へ事業転換。カクヤスの商品だけでなくさまざなま商品をここに集め配送するシステムを構築しようとしている。この日トラックに積み込んでいたのは加工肉。焼肉チェーンから店舗までの配送を請け負った。
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