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オープニング映像。
吉村作治はピラミッドは墓ではないと言う。その根拠となるのは「クフ王の息子の石棺」「アビュドスの谷」「西部墓地の空白地帯」だという。
- キーワード
- アビュドス(エジプト)クフ
ピラミッドの正体を突き止めようと考古学者を始め様々な人々が挑戦。最も有力とされた説は「王の墓」。吉村作治は「王の墓」ではないという。クフ王のピラミッドの内部は不思議な構造になっている。極端に狭い上昇通路や高さ8mの大回廊は29度の急勾配。坂を登った突き当りには「ピラミッドは王の墓」と考えられた部屋がある。この部屋で発見された石の箱が「クフ王の棺」と考えられた。王のミイラや副葬品、棺の蓋さえも全て盗まれてしまったと結論付けられた。吉村先生は「石の箱は棺ではない」と断言した。ツタンカーメンの墓と比べると王の間は殺風景で壁には何も描かれていない。石の箱の大きさはツタンカーメンの棺にすっぽり入り、棺としては小さすぎるという。しかし、クフ王とツタンカーメン王の間には1250年以上の時代の開きが存在するため、この2つを比較して単純に判断はできないという意見もある。
「大エジプト博物館」にはクフ王の息子と書かれた石棺が収蔵されている。王の間の石の箱には何も書かれていない。クフ王の息子の石棺は王の間の石の箱と比べて50cm以上長い。息子は王になれずにこの世を去った。世界最大のピラミッドを建造したクフ王の棺がそれよ小さいとは考えられない。クフ王の息子・クフジェドエフの墓は父のピラミッドの南側にあった。ピラミッドの王の間とは異なり、そこには亡くなった息子の菅田が描かれていた。さらに彼の名前も刻まれていた。ピラミッドの他の場所にクフ王の墓があるのではという人もいる。
ピラミッドの別の場所にクフ王は埋葬されたという説がある。その一つはピラミッドの地下30mに作られた地下の間という部屋。この部屋は岩盤を彫り込んで作られていたが、部屋として仕上がったようには見えない。未完成のまま放置されたと指摘する学者もいる。吉村先生によると、クフ王の墓として造り始めたものの、岩盤がピラミッド建設に最適と判断し墓の工事を中止してピラミッドを建設したという。
しかし、ピラミッドには「未知の空間」があり、そこにクフ王は眠っているという説は根強く存在する。電磁波によるピラミッドの内部調査を行った。特別の許可が出て、建造当時に作られた正規の入口を調べた。空間が存在する可能性が浮上し去年3月、正規の入口丈夫に未知の空間を発見した。ピラミッドの王の間の上には高さ1mほどの空間が5つ存在し、重量軽減の間と呼ばれている。最上階の屋根は三角の拝み合わせになっていて、今回発見された空間によく似ている。空間には副葬品やミイラの痕跡がみられない。
吉村先生はクフ王のピラミッドとカフラー王のピラミッドの位置関係が重要だという。現存する「クフ王像」からクフ王は「ピラミッドを造った神」として崇められていたという。クフ王像が発見されたのはアビュドス。古代エジプト第一王朝が始まった5000年前、クフ王よりも400年前にはすでに聖地となっていた。古代エジプトの王はこぞってアビュドスを訪れたという。クフ王像はクフ王よりも2000年後に造られたものだという。古代エジプトではアビュドスの谷はあの世へ向かう神聖な入口だと信じられていた。谷の崖の高さは約150mで、2つのピラミッドの高さは147mと143m。崖の傾斜は約50度と約55度で、2つのピラミッドの傾斜は約51度と約53度。新たな聖地を作るため、アビュドスの谷を参考にした2つのピラミッドを建て、あの世への入口を造ったという。
クフ王より100年古い第二王朝時代の葬祭殿では14艘の船が見つかった。古代エジプトではあの世は船で行くもので葬儀には欠かせない。クフ王のピラミッドの南側からも船が2艘発見されている。吉村先生はピラミッドは墓ではなく葬祭儀式を執り行う役割を担っているとした。2つのピラミッドの位置を決めるのに重要なポイントになったのはスフィンクスだという。ギザの大地からスフィンクスが誕生するような作り方で太陽神の聖地であることを知らしめようとした。太陽が最も長く地上を照らす夏至の日の太陽の動きを調べたところ、2つのピラミッドのほぼ中央に沈むことがわかった。
クフ王のピラミッドの西側には数多くの墓が作られている。石を積み上げたマスタバと呼ばれる墓にはクフ王やカフラー王らの時代に仕えた大臣や貴族が眠っている。西部墓地のほぼ中央に砂に覆われたままのエリアがあった。これまで調査の手が入らなかった理由は、周囲にあるような大きな石積みが存在しないため墓は作られていないと判断されてきたためだという。吉村先生が西部墓地の調査に乗り出して約10年、2022年には電磁波を使って地中探査を行った。地層の変化や空間の存在する可能性を捉えた。2023年12月、ついに発掘許可が降りた。ミニチュア土器などが見つかり、深さ8mで岩盤を人工的に彫り込んだ跡が見つかった。
礼拝室の構造が見つかり、偽扉と呼ばれる死者の魂があの世へ向かうための扉が出てきた。偽扉には亡くなった父親でネケブの長のラーウェルとその息子で宮廷の執事長のケヌウについて書かれていた。ラーウェルのシャフトが見つかって、埋葬室を塞ぐ封鎖石を発見した。埋葬室から人骨が引き上げられた。砂の中からは装飾品のビーズが回収された。墓泥棒によって荒らされたあとだった。
吉村先生はかつて発掘資金確保のためテレビ出演し、全てエジプトの砂漠につぎ込んだ。10年ほど前に発掘作業中に左ひざを損傷し現在はリハビリに懸命に取り組んでいる。吉村先生が考古学者を目指したのは10歳の頃。ツタンカーメン王墓を発見したハワード・カーターに憧れたという。ピラミッドの真実とクフ王の墓を見つけることが生涯の夢だ。ピラミッドの解明に大きな役割を果たしたのは第二の太陽の船の発掘調査。第二の太陽の船は復元後、大エジプト博物館に展示される予定。大エジプト博物館にクフ王を飾りたいと吉村先生は言った。西部墓地の発掘現場では新たなシャフトが次々と発見された。さらに傾斜路が見つかった。
エンディング映像。
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