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オープニング映像。
八戸鉱山で石灰石を運ぶ屋外用ベルトコンベヤ。1日の運搬料は約1万5000t。鉱山に隣接する工場に送られた石灰石はセメントなどの原料に製品化される。工場から出荷された製品は8kmほど先にある港の専用埠頭まで市街地の地下を貫いて運ばれる。総延長距離は約10km。この屋外用ベルトコンベヤの働きを支えているのがローラ。滑らかな回転と耐久性が重要だという。屋外用ベルトコンベヤのローラを製造・販売しているのが今回のガリバー・JRC。
屋外用ベルトコンベヤは物資の運搬や移動に使われる装置。基本的には物を乗せて移動させるベルト、ベルトにモーターの動力を伝えるプーリ、ベルトのスムーズな動きを支えるローラ、ローラを取り付けるスタンドからできている。ローラ、プーリ、スタンドとといった部品を手掛けているのがJRC。ローラの内部構造は筒状の本体であるパイプの中心に軸となるシャフトが通っていて、その両端にはベアリングと呼ばれる部品がついている。ベアリングはシャフトに固定された内輪と本体と一緒に回転する外輪に分かれる。ローラの耐久性を向上させるには心臓部であるベアリングを水や粉塵などの異物から守る必要がある。
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材料となるパイプやシャフトにはJIS規格より厳しい基準をクリアした国内産の材料を使用している。ローラの内部には耐久性を担う重要な部品が2つある。ラビリンスシールは外部からベアリングに至るまでに小さな隙間が迷路のように入り組んでいて、水や粉塵を通さない構造になっている。繊細な形状を作るため10回以上プレスして成形している。ベアリングとローラ本体を一体化するハウジングはベアリングを収納しながらパイプやシャフトなどの他のパーツと一体化させる。ハウジングは100分の1mm単位の誤差に収まるよう作られている。
創業者の浜口匠は1961年、大阪・天王寺区に浜口商店を創業。ベルトコンベヤ部品の製造・販売を始めた。4年後には法人化して浜口鉄工に。1987年、兵庫・緑町に淡路工場を建設。
JRCは1987年に淡路工場を建設。その2年後、日本初のローラの自動組み立てラインを構築した。自動組み立てラインの効果でローラの品質が安定して量産体制が整うと、旺盛な需要もあってシェアを拡大。2014年に新たに始めたのがソリューション営業。JRCが代理店とともに現場を訪ねてヒアリングして顧客の困りごとを解決する製品を開発・提案した。組み立てラインの自動化はその後も着々と進化を続けた結果、今ではカメラで部品を識別・組み立てる完全自動化を実現している。完全自動化を培ったノウハウで新規事業のロボットSI事業を行っている。JRCはロボットや周辺設備などのメーカーと顧客の間に立って設計から組み立て・設置・調整まで行っている。
「今、我々が持っていない技術や知見であったとしても積極的に取り組んでいきたい」などと浜口社長は語った。
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知られざるガリバーの次回予告。