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オープニング映像。
航空機のラバトリーを手掛けるのが今回のガリバー、ジャムコ。ラバトリーとは航空機に設置される化粧室。航空機には高い安全性が求められるため、頑丈で燃えにくくコンパクトながら使いやすいラバトリーが必要とされる。
ジャムコは年商640億円、従業員数2692人。国内に6カ所、海外に4カ所の拠点を持っている。扱う事業は航空機の内装品、エンジン内部の部品の製造。さらには航空機の整備事業まで関わっている。中でも世界シェア50%を誇るのがラバトリー。強さと燃えにくさを実現するのに欠かせない素材がハニカムパネル。ハニカムパネルは燃えにくい特徴を持つ特殊な紙を樹脂でコーティングし、カーボン繊維などでできた強化プラスチックで挟んだ素材だ。紙の部分に作られた六角形の構造は強さの面でも優れている。ハニカムパネルは90%以上が空洞で軽い。
ジャムコの内装品の設計を行う部署では使いやすさや安全性を高めるため、細かな部分まで考えられている。設計が終わると新潟県の工場で製造が行われる。ハニカムパネルの芯材となる特殊な紙は接着剤を塗って重ね熱を加えて接着し、引き伸ばすことで蜂の巣構造ができる。これを樹脂に漬け込むことで燃えにくくする。ラバトリーの製造はオーダーメイドで全て手作り。取り付けるパーツは1000種類以上。航空会社によって仕様が異なる。今は部品を二次元コードで管理し、組み立ての確実性とスピードアップを図っている。強度はそのままに、木の材料と比べて重量を5分の1に抑えられるという。ラバトリーを1gでも軽くする努力が航空機の燃費向上に直結する。
1955年に設立されたジャムコは当初、飛行機の製造を行っていた。1970年、会社の再編によって大きな業務転換を行った。手掛けたのは機内食を保管するギャレー。これをきっかけに大型機用の様々な内装品の開発・製造をスタートした。1982年にはアメリカに会社を設立。1989年には新潟県に基幹工場を設立。今ではギャレーやシートなどの内装品を手掛け、中でもラバトリーでは世界シェア50%を誇る会社にまで成長した。
国際福祉機器展でジャムコはJAXAと共同開発した最新のラバトリーを展示。ラバトリーの大きさは変えず、車椅子を利用する人が介助者と一緒に入れるようにした。このラバトリーの開発にはバーチャルスタジオという新たな取り組みが生かされている。
新しい挑戦、それを続ける中で様々な困難に自ら立ち向かい、それを乗り越えることによってどんどん成長していくことを期待して「Let’s enjoy the difficulties」という言葉を使っていると恒松社長は語った。
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知られざるガリバーの次回予告。