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オープニング映像。
小諸市の農場の倉庫は30年前に建てられたが、冬には30cmの雪が積もる厳しい環境化でも手入れ無しで壊れたことがないという。通常、手入れをしなければ錆びてしまう鉄骨だが、30年経っても色つやを保ち続けている。今回のガリバーは耐久性の高い鉄骨造倉庫を長野で製造、日本全国で販売しているカクイチ。カクイチは鉄骨造倉庫を規格品として日本で初めて発売した企業。その製品は震災時にも壊れることなく立ち続けた丈夫な倉庫として近年、注目を浴びている。
カクイチは長野の本社と東京の本部を中心に国内103拠点を展開。日本に7社、海外に2社を構えるグループ企業。年商は350億円、従業員数は600人。カクイチの倉庫は主に規格品。丈夫さのベースとなっているのは鉄骨で作られている骨組み。基礎を土台に重量鉄骨と軽量鉄骨を使った独自の設計の強固な骨組みが建物を支えている。柱の間に斜めに入れるブレース構造が倉庫の強度を高めている。頑丈なだけでなく、スピーディーに建てられることも強みだ。
カクイチでは部品のほとんどを内製化している。1枚の鉄板を折り曲げることでより頑丈な鉄骨にしている。鉄骨に亜鉛を塗ってサビを防いでいる。その上からさらにポリエステル樹脂を塗って耐久性が上がり光沢が出る。静電粉体焼付塗装で塗料をむらなく強く定着させている。完成した部品は施工の現場に運ばれる。部品はあらかじめ完成しているため、ボルトやビスで止めるだけ。このような建設方法をプレハブ工法と言って、在来工法に比べて約半分の期間で建てられる。
カクイチのショールームでは顧客がいくつもの倉庫を実際に見て触れることができる。倉庫・ガレージのショールームを全国展開しているのはカクイチだけだ。アフターサービスの窓口として顧客の様々な声に耳を傾ける場としても重要な役割を果たしている。企業向けの鉄骨造倉庫は標準的な倉庫よりサイズは大きいものの、内部に柱を建てず耐久性を保つように設計して空間を無駄なく使うことができる。高さも5mあることでトラックごと倉庫内に入れるため、効率的な荷物の搬入・搬出が可能。主に個人が注文する小型の倉庫と企業向けの大型倉庫の間のサイズの製品は規格品として扱っているメーカーは他にない。
カクイチは1886年、創業者が“信用第一”を理念に開いた金物店がルーツ。高度経済成長期に倉庫の製造を作った。倉庫の製造・販売を事業化したカクイチはショールームの全国展開をスタート。さらに、施工を内製化して一貫で行うビジネス体制を構築。低価格化したことが裏目に出て業績が悪化した。震災を乗り越えた倉庫が転機になり、原点回帰し高品質な製品作りに力を入れたカクイチは業績が好転した。カクイチは2つの太陽光事業を展開している。1つはクライアント企業に設備を設置するサービス。もう1つはカクイチが建てた倉庫の屋根上スペースをお金を支払って持ち主からレンタル、太陽光パネルを設置して発電した電力を電力会社に販売する売電事業。緊急時に電力を使うこともできる。カクイチは今、静岡県小山町が建設する地域産業の活性化を目的とした施設に太陽光発電設備を乗せた避難所にもなるガレージの建築を準備している。
中央集権モデルではなく自律分散のネットワーク組織を目指すと田中社長は語った。
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知られざるガリバーの次回予告。