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オープニング映像。
金属3Dプリンタはレーザーを照射し金属の層を積み上げて部品をつくる。金属を積み上げるだけでなく、それを削ったり磨いたりする作業も行う。この工作機械は製造業のあらゆる分野で活躍している。工作機械を手掛けているのが今回のガリバー・DMG森精機。DMG森精機は工作機械の他、制御システムの開発も行っている。
東京と奈良2拠点に本社を置くDMG森精機の年商は5409億円、従業員数は1万3951人。生産拠点は国内に7か所、海外に10か所ある。最先端の製品には複雑で高い精度の部品が求められている。繊細な曲面や複雑な形状を誤差なく削るには特別な加工技術が必要。複雑な形の部品を効率的に加工できる工作機械が5軸加工機。5軸は上下左右前後に足して回転軸がそれぞれについて、より複雑な形状を段取り替えなく加工できる。
ボールねじの製造ではこれまで、工程ごとに専用の機械が必要で作業が分割されていた。また、1つの工程が終わるたびに次の機会に取り付けるなど時間的なロスや精度の誤差が発生していた。5軸加工機はボールねじの製造に必要な5つの工程を1台に集約することで作業効率を大幅にアップさせた。5軸加工機は機械本体が精密に作られている必要があるため、DMG森精機は5軸加工機に使う部品を自社で製造している。土台部分のガイドは1000分の1mm単位で精度を出すため、表面を鏡のように磨き上げる。平らな金属同士を重ねると摩擦が大きくなりスムーズに動かないので、金属の片方に地位さくぼみをつけるきさげ加工を施す。
工場では生産効率を上げるため、データを見える化している。ネジ締めの工程では作業内容や手順を画面上にわかりやすく表示している。手首に付けたセンサーが腕の位置情報を把握してネジが締まったかを画面上で認識してくれる。見える化によって作業者の習熟期間が半分ほどに短くなった上に、管理者の作業工程も約7割削減された。
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会社の始まりは1948年、繊維機械メーカー「森精機製作所」を設立した。1958年には工作機械の製造分野に進出した。1980年代に入ると海外市場に進出。2000年以降は積極的に企業の買収を行ってきた。2009年、ドイツのギルデマイスター社との資本業務提携を締結した。2013年には社名をDMG森精機に変更。
DMG森精機は人手不足の解決に取り組むために新たな事業をい立ち上げた。WALCはDMG森精機が2022年に設立したベンチャー企業。この会社の事業の一つが工場で使われるロボットと制御システムの開発。人手不足の解消と作業の効率化実現のため、ロボットは進化を続ける。5軸加工機では様々な工具が使用されているが、使用頻度により消耗度合いがまちまちになるため、従来の工作機械に比べ各部品の交換時期を見定めるの難しい。そこで取り入れたのが予兆保全というメンテナンスのシステム。金属加工の際に摩耗した部品の情報を集めて、部品が劣化し始めたタイミングをAIが知らせることで交換時期を予め把握できる。工作機械を1代に集約することで作業効率の工場や電力消費量の抑制など環境面の改善が図れる。DMG森精機はGXとDXの2つを掛け合わせたMX(マシニング・トランスフォーメーション)を提唱して、製造業に新たな改革を起こしたいと考えている。
「全世界にある500万台の機械を100万台程度に集約してくのが私たちの使命」と森社長は語った。
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知られざるガリバーの次回予告。
