- 出演者
- -
オープニング映像。
弘前市のリンゴの出荷場では1日に約18万個のリンゴを選果している。その作業に欠かせない装置がある。1つ目の装置で糖度・酸度を判別して、2つ目の装置で大きさ・色・形を判別。最後の装置は赤外線を使って表面からではわからないリンゴのキズを見つけることができる。検査結果はリンゴが置かれた台のバーコードに書き込まれる。そのバーコードを読み込んで、規格に合わなければラインから外す仕組み。その処理スピードは1秒間に3個。処理技術を提供しているのが今回のガリバー「アバールデータ」。アバールデータは装置を動かす基板モジュールを提供する会社。
アバールデータの年商は109億円、従業員数は210人。国内に4か所、海外に1か所の拠点を構えている。社員数の約半数が設計に携わっている。基板モジュールを設計するうえで欠かせないのが、装置にどんな働きをしてほしいのか顧客にヒアリングをすること。
産業用基板モジュールの製造で国内トップクラスの技術を誇るアバールデータ。基板モジュールは使われる装置に合わせて設計・製造される。装置の高性能化によって部品点数も増加、それらをつなぐ複雑な廃線を安定的かつ効率よく配置する必要があるため、16の層を使って最適な場所に配線する設計を考えていく。16の層を重ね合わせると設計が完成。続いて工場に送られて実際の基板を作り上げる。こちらの工場では多くの工程で自動ロボットを使って作業の効率化を図っている。設計から組み立てまで一貫して行うことで少量多品種で高性能な製品をスピード感をもって製造できる。
アバールデータは1959年、東京・目黒に誕生。会社の成長のきっかけは1970年代に起きたマイコンブーム。プログラムをメモリに書き込む装置は当時は海外製しかなくて非常に高価だった。メモリにプログラムを書き込む機械を作ると従来にない低価格機種としてヒット。2008年、リーマンショックが軌道に乗った会社をピンチに陥れた。顧客から注文が入らず工場を休業した。需要と供給の波が激しい世界で柔軟に対応できる技術を社員全員で話し合って危機を乗り越えたという。
産業用基板モジュールの製造で国内トップクラスの技術を誇るアバールデータ。身近な電子機器にも使われているFPGAは回路の書き換えが可能なICチップ。アバールデータの基板モジュールは半導体製造装置など高価な産業装置に搭載されているため、FPGAの中身を書き換えることで装置自体を買い替えることなく新しい製品への対応が可能になる。FPGAの回路ブロックは通常決められたブロックしか使えないが、アバールデータではオリジナルのブロックを作成できるという。FPGAの回路は全てデジタル。回路を作っても実際に基板に部品を乗せることはなく、パソコンで使った回路をそのままFPGAに書き込む。
- キーワード
- アバールデータ
「最先端の装置を開けると必ずどこにもアバールデータが入っていると言われるような会社になりたい」と菊地社長は語った。
- キーワード
- アバールデータ
知られざるガリバーの次回予告。
