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オープニング映像。
ティッシュペーパーの製造工程で重要な役割を担うパーツが、紙から水分を搾りとる抄紙用フェルト。輪の形になっていて長さはおよそ45m。抄紙用フェルトは紙を挟んでローラーの間を通ることで、その圧力を使って紙の水分を搾りとっていく。抄紙機が休まず稼働するにはフェルトが吸い取った水分を排出して洗浄する工程も組み込む必要がある。抄紙用フェルトが水分をどれだけ搾り取れるかが紙の品質を左右する。紙が含む水分を1%削減すれば乾燥などにかかるエネルギーを5%減らすことが出来るという。今回のガリバーは抄紙用フェルトをはじめ紙づくりに欠かせない様々なパーツを手がけている「イチカワ」。
紙づくりで水分をしっかり搾り取るという重要な役割を担う抄紙用フェルト。イチカワの強みはカスタムメードで製造していること。イチカワの年商は139億円、従業員数は660人。
イチカワの工場にあるはた織り機は幅33m。巨大な抄紙用フェルトを作るため、ここでは土台となる基布を織っている。使用するのはナイロン製の糸。タテ糸の間にヨコ糸を通しているシャトルはハンマーで押し出して移動させている。巨大なはた織り機は一般的な平織りをはじめ、顧客が製造する紙に合わせて基布の織り方を変えることが出来る。抄紙用フェルトは輪の形で使用するため、基布の段階で両端を手作業で縫い合わせ輪を作る。そして手の感覚と目視で検査する。基布は幅があるため長さ14mのエレベーターを使って運搬する。次の工程では基布にシート状の綿を縫い付ける。基布をニードルマシンにかけ入れて縫い付ける。針を打ち込む速さは毎分1200回。その後、繊維の油分などを落とすために洗浄する。さらにバーナーを使って綿の毛羽立ちなども取り除く。完成した抄紙用フェルトは1つ1つ手作業で巻かれ梱包される。イチカワ の製品は45の国や地域の約470カ所の工場に輸出されている。
1918年、イチカワの前進である東京毛布が設立されて、1949年に木下静一郎が市川毛織を設立。1964年、綿を縫い付けるニードルマシンを導入。ニードルフェルトの製造を開始した。1989年、日本では製造されていなかった、紙の水分を公立よく搾り取ることができるというシュープレス用ベルト。
シュープレス用ベルトは抄紙用フェルトを合わせることで脱水効果を高めるという。最大の特徴は表面に彫られている溝。シュープレス用ベルトは抄紙用フェルトと一緒に回って、線だった接点が面になることで効果よく搾り取れる。トランスファー用ベルトは表面が特殊樹脂でコーティングされていて水を吸わない。シュープレス用ベルトは水をよく搾り取るため、乾燥工程に贈る時紙に水を戻してしまう現象が発生する。
「これからも日本そして世界中の顧客に当社の製品を届けて紙づくりに貢献していきたい」と矢崎社長は語った。
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知られざるガリバーの次回予告。
