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オープニング映像。
博豊会東京脊椎病院の落ち着きのある空間を演出しているのがインテリア。患者にとってインテリアの効果は重要な要素。病院に欠かせない抗菌効果も備わっている。木目の床は起毛式の絨毯で、汚れづらくメンテナンスがしやすい。手がけたのはサンゲツ。江戸末期の創業で、デザイン性と機能性を兼ね備えた商品を夜に送り出してきた。
現役大学生の峯本さんがサンゲツを取材。千代田区の拠点で近藤社長に話を聞いた。サンゲツの強みは商品開発企画力、サプライチェーン、販売ネットワークだと話した。サンゲツの年商は2003億円、従業員数は約3000人。国内に33、海外に9の拠点があり、グループ会社は11社。ラインナップは業界トップ暮らしの1万2000点。品川ショールームで傷がつきにくい壁紙を見せてもらった。特殊な表面構造で壁紙を守っている。ガラスにも機能性を持たせており、フィルムを貼ることで熱を遮断している。
サンゲツは下地がつなぎ目で動き壁紙にシワや亀裂が入ってしまうという長年の課題に取り組んだ。品質の良い壁紙作りに定評があるグループ会社クレアネイトと共同でハードストレッチ壁紙を開発した。ストレッチ性を兼ね備え、下地の動きをカバーする。塩化ビニル樹脂を主原料に数種類の材料を混ぜ、裏打紙の上に樹脂層を作っている。樹脂層の表面に柄を印刷し、熱をかけて樹脂を発泡させながら凹凸のデザインをつけている。ストレッチ性を阻害する炭酸カルシウムの充填剤を減らし、壁紙を切れにくくした。他の材料の配合は緻密な計算で調整しており、デザインに合わせて配合を変える必要があった。
サンゲツは1849年創業。日比弥助が表具師として山月堂ののれんを掲げ1953年に会社化し、1956年に壁紙に着目して仕入れ販売業に参入した。当時は天然素材のクロスが使われていた。
1965年にサンゲツ初のオリジナル商品として織物壁紙エリートを販売。糸の撚りの組み合わせで色を再現した。主な壁紙を一冊の見本帳にまとめて掲載したビジネスモデルも画期的だった。2021年には壁紙工場を持つクレアネイトをグループ化し、商品の安定供給に力を入れて技術の蓄積も強化した。
サンゲツ品川ショールームで開発中の商品の施工試験が行われた。通常は骨組みに下地をつけて一枚ずつのりを使って壁紙を貼っていく。施工試験では、金属の骨組みに両面テープをつけると、ボードを設置して骨組みに圧着。壁紙と石膏ボードを一体化させた新商品イノパネルだった。職人の高齢化という課題を解決するために開発した。兵庫の会社フジプレアムがサンゲツと共同開発している。
近藤社長は、ある基盤をベースによりクレイティブに企業価値を上げていくためには空間創造までにらんでいかなければいけない、市場ニーズに応え社会課題の解決に貢献していくのがやるべきことで10年後20年後のサンゲツの姿と話した。
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次回予告。