- 出演者
- -
オープニング映像。
中国・大連にあるオーダースーツ専用の縫製工場では日本の店舗から直接顧客のデータが届くと、その翌日から生地の裁断や縫製が始まる。完成したスーツは圧縮放送で空輸され、直接顧客の自宅に届く。これまでスーツのオーダーメイドは早くても3週間ほどかかったたが、デジタルシステムで事務的な作業を減らして時間を短縮、最短で1週間に。自分の体にフィットした上質なスーツが手軽に手に入ると、若い世代にも響いた。店舗の売上は前年の1.5倍以上に急増している。このサービスを打ち出したのが今回のガリバー「オンワードホールディングス」。
オンワードホールディングスの年商は2084億円、従業員数は6253人。国内と海外を合わせてグループ会社は57社。主に30代からの世代をターゲットとした人気ブランドを展開している。それぞれのブランドの戦略やデザインを生み出す担当者が芝浦オフィスに集まっている。現在、日本のアパレルメーカーの多くは生産拠点を東南アジアなど海外に移している。オンワードもオーダースーツは中国の大連で生産しているが、ハイクラスの婦人服は敢えて国内の縫製工場で作っている。
佐賀県にあるオンワード国内唯一の直営工場「KASHIYAMA SAGA」では婦人服の中でもハイクラスのものを縫製している。工場内は年間を通して25℃。生地は温度差や湿度によって伸び縮みするため、一定に保つよう設定されている。ロール状になった生地を裁断する前に蒸気と熱と振動を加えて織り上がった直後の状態に戻す。生地の裁断は自動化されている。東京のパターンナーから送られてきたデータ通りに生地を10枚重ねて切り出す。この工場は以前はスーツ専門の縫製工場だった。かつてこの工場では紳士用スーツを1着作るのにアイロンでプレスして形を出す工程が60回以上あった。これを婦人服にも応用して仕立ての精度を際立たせている。熟練の技が必要な上、非常に手間がかかる。この工場で1日に作れる服は150着ほど。
オンワードの創業は1927年。紳士服に取り組んだのは戦後。スーツはオーダーメイドが当たり前の時代に既製服として生産・販売を開始。高度経済成長期を背景に急成長した。23区やICBなど30代から50代をターゲットとしたブランドを次々と立ち上げて百貨店を中心に展開。店舗数を拡大して海外にも進出。2020年、コロナショックで赤字に転落。2021年、若手が中心となって新ブランド「アンフィーロ」を立ち上げた。機能がついたパンツを売り出して大ヒットとなった。おしゃれとともに快適さが求められる時代、そのニーズに応えようと誕生した。次の狙いは猛暑が続く長い夏。
オンワードと東レは去年から共同で新たな機能性素材の開発を進めてきた。通気性と吸水・速乾性の機能を持った涼しい服だ。新素材の糸の断面はいびつな形をしている。ファッション性との融合が難しく、さらに生地の織り方を検討して誕生したのが新素材ブリーズムーブ。機能性素材のアイテムは医療の現場でも活躍している。医師と共同開発した医療従事者のための多機能ニットシューズが誕生した。
「100年ん培ってきた伝統と最先端テクノロジーを掛け合わせて面白いモノをつくって世界中の人にエンジョイしてもらう」と保元社長は語った。
- キーワード
- オンワードホールディングス
知られざるガリバーの次回予告。