- 出演者
- 山中伸弥 タモリ 吉村崇(平成ノブシコブシ) 吉岡里帆
吉岡里帆らの挨拶。今回のテーマは「認知症」。
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- 認知症
オープニング映像。本日のテーマは「認知症 克服のカギ」。
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- 認知症
本日のテーマは「認知症 克服のカギ」。タモリは「兆候もある、人の名前は出てこない。やったことは忘れてる」などと話した。最近ある意外なモノが認知症と深く関わっていたことがわかった。
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今年2月、イギリスから衝撃的な研究結果が飛び込んできた。100万人規模のビッグデータの解析。そこから認知症とある意外なものとの関係が明らかになった。その意外なものというのが「新型コロナウイルス」だった。新型コロナウイルス荷感染するとアルツハイマー病の侵攻を示す指標が2~4年分進んでいたという。アルツハイマー病は認知症の中で最も多いタイプ。原因物質といわれるアミロイドβとタウが脳に蓄積し神経細胞が壊れていくことで発症する。46歳以上の人たちで血液に含まれる量を観戦の前後で比較した。するとアルツハイマー病の侵攻を示す指標が2~4年分進んでいた。そのほか様々な感染症がリスクを高めることが分かってきた。ウォレン・ガッシュさんは65歳以上の人100万人で肺炎やインフルエンザなど様々な感染症と認知症との関係を調べた。すると重い症状を経験シた人では認知症のリスクが2倍になっていた。
認知症は脳の働きが低下し日常生活に支障をきたす状態の事。アルツハイマー病や血管性認知症などがある。最も多いアルツハイマー病は脳の中にアミロイドβやタウといった老廃物が貯まっていくその結果脳が萎縮することで発症する。血管性認知症は脳の血管が詰まったり破れることで発症する。肺炎球菌のワクチンを接種した人と接種していない人を3年半追跡したところ、接種した人では認知症の発症が23%少なかった。帯状疱疹のワクチン接種で7年後までの発症リスクが20%低下するという。なぜ感染症に認知症になる確率が上がるのか。ウイルスや最近が脳に直接感染すると、脳や血管がダメージを受け脳炎となり認知症のリスクが高まる。免疫反応が脳の炎症をひきお起こし認知症のリスクになるという。インフルエンザ・単純ヘルペスウイルスなどが認知症に影響しやすいと考えられている。適切な治療薬やワクチン接種が大切だという。アルツハイマー病の原因物質といわれるアミロイドβが感染症から守っていることが分かってきた。アミロイドβが戦ってきた残骸が脳に貯まってしまうと考えられる。
ハインリックス一家は、家族性アルツハイマー病と向き合っている。その割合はアルツハイマー病のうちわずか1%。アミロイドβを多くつくる遺伝子によって確実にアルツハイマー病を発症。遺伝子を受け継ぐと親とほぼ同じ年齢で発症する事がわかっている。ビンス・ハインリックスは40代で発症し50歳で亡くなった。2012年子どもたちは父親が発症した年齢に近づいていた。2019年、デイビットがアルツハイマー病を発症し49歳で亡くなった。2023年、ティムとジョーは研究に参加した。ワシントン大学では、家族性アルツハイマー病の人たちの協力のもと、克服を目指す研究「ダイアン研究」が進められてきた。長年、発症までにどのように変化していくかは謎とされてきた。家族性アルツハイマー病の人たちは発症年齢が予測できるため発症のはるか前から調べ続けることで脳で何が起こっているのかが見えてきた。脳の中でアミロイドβが広がっていく過程を紹介した。発症した時、アミロイドβは脳全体に広がっていた。アミロイドβがたまり始めるタイミングは発症の20年以上も前だった。タウは急速な広がりを見せることが分かった。脳にわずかなタウが確認されると1年後には脳全体に広がってしまうという。発症のプロセスが分かってきたことで、予防や治療にも光が見えてきた。発症前の段階でアミロイドβを取り除き、アルツハイマー病の予防を目指す臨床試験も進められている。
アミロイドβの蓄積は発症の20年以上も前。タウは2~3年前からいい気に広がる。アミロイドβを取り除く薬が2023年に登場した。これを使うことによって進行を緩やかにすることができる。しかし患者善意にこの薬が効く訳ではない。初期段階に効果があるが食い止めることはできない。近年、タウがたまらない場合が見つかったという。
コロンビアには家族性アルツハイマー病の人が多く住む地域がある。アンティオキア大学は30年以上、家族性アルツハイマー病の追跡調査を続けてきた。その調査から家族性アルツハイマー病の発症を防ぐスーパー遺伝子を持つ人が見つかった。アリリア・ロサ・ピエドゥライータ・デ・ビジェガスさんは家族が40代で発症する中、アリリアだけは発症しなかった。アリリアの脳にはタウはほとんど貯まっていいなかった。アミロイドβだけではアルツハイマーが発症しないことがわかった。アリリアの脳にはアミロイドβが大量に貯まっていた。「クライストチャーチ変異」と呼ばれる稀な遺伝子変異を持っていた。
スーパー遺伝子は脳の免疫細胞がタウを分解する働きを高めていると考えられている。これをヒントに薬ができる可能性がある。アミロイドβが引き金となっていて認知症を起こしているのはタウと考えられている。
なぜ認知症になるのか?。人間が持ってるAPOE遺伝子は、e2、e3、e4と3種類ある。父母から1つずつ受け継ぐので全部て6タイプとなる。これによってアルツハイマー病になるかならないかのリスクがぜんぜん違う。荷hンジンが持つタイプ別の割合、e3 e3が最も多く7割をしめている。e2、e4を持つ人は3割ほどだった。e3 e3と比較するとe4を1つでも持つと4倍。e4を2つ持つ場合は13倍もなりやすかった。アルツハイマー病の患者の脳では炎症反応がみえることが分かった。e4を持つ人の脳では炎症が過剰に起こっていた。免疫細胞が炎症を起こす時、何が起こっているのか。免疫細胞がシナプスを消していたことが分かった。APOEは体の中でコレステロールなどを運ぶのに絶対に必要な遺伝子で、これがないと生きていけないという。
APOE e4が人類の繁栄に貢献してきた可能性が最新の研究で明らかになった。ボリビアでは人類の進化と病の関係を探る研究が行われている。狩猟採集を中心とする生活を続けるチマネの人々。ヒラード・キャプラン教授らはチマネの女性の出産に注目した。研究の結果、APOE e4を持つ人は子どもの数が多くなることが判明。APOE e4の人は0.5人多く、APOE e4 e4を持つ人は2人多かった。コレステロールの代謝に影響を与え女性が出産後早く回復できるようにしているという。女性の年齢と認知機能を示したグラフ。e2やe3の人は年齢とともに認知機能スコアが低下していくがe4では大きく低下。しかし45歳より若いときはずば抜けて高かった。e4を持つ人は若い頃は認知機能が優れていたことが分かった。進化の過程から考えた場合e4遺伝子を持つことは、生存に有利だった可能性が高い。
APOEはコレステロールを脳に運び、脳の神経細胞の発達に役立っている。若い女性でe4を持ってる人はその働きが強いので認知機能が上昇すると言われている。予想以上に長生きするようになり認知症という大きな問題を抱えた状態だという。
「万歩計 半分以上 探し物」などシルバー川柳を紹介した。
福岡・久山町の協力を得て九州大学は60年以上、生活習慣と様々な病気の関係を調べてきた。65歳以上の住民における認知症の割合が2012年以降、減少していることがわかった。考えられるのが生活習慣の改善。喫煙率が低下し運動する人が増えている。もう1つは糖尿病や高血圧の治療法が飛躍的に進歩したこと。2024年、医学雑誌の専門チームが対処すべき14の危険因子を洗い出した。14個で発症リスクの45%をしめていることがわかった。
認知症リスクを45%減らせる対策の14項を紹介した。0~18歳までは教育機会の不足で5%。18~65歳で7%のリスクがあるのは難聴だった。難聴になるとコミュニケーションが取りづらく脳への刺激が減り、認知機能が一縷という。補聴器を使うと認知症のリスクを17%予防できるといわれている。ワンちゃんと暮らしている高齢者は暮らしていない高齢者に比べると要介護認知症の発症リスクが40%低くなっていることがわかった。犬と暮らしている夫婦に密着。犬を飼う前は会話がなかったが、犬をかってから食事のときでも話がたくさん出てきたという。認知症を減らす大きな要因が犬の散歩だった。ポイントは犬を介したコミュニケーション。犬の散歩に行くことによって、ご近所さんとの会話が増えるという。孤立感や孤独感を軽減できる効果もある。孤独感を感じている人は孤独感を感じていない人に比べ1.6倍ほど認知症を発症しやすい結果が出た。ボリビアのチマネの人々は高齢者で認知症になる人の割合いは1.2%と報告されている。チマネの人々は大家族の中で営みを続けている。明るく明朗にシている人は病気の進行が遅いイメージがあるという。家族や社会の方と繋がるのが大切。
現在76歳のダグラス・ホイットニーは家族性アルツハイマー病の遺伝子を持つ、ブライアン・ホイットニーの父親。ダグラスの母親や京大は50歳頃にアルツハイマー病を発症したが、ダグラスは70歳を過ぎても発症していない。スーパー遺伝子も見つかっていない。脳を調べてみると、タウの蓄積が防がれていた。発症をとめていたのはヒートショックプロテインだという。ヒートショックプロテインは熱などの強いストレスにさらされたときに、体の中で作られ、細胞が傷つくのを保護する物質。ヒートショックプロテインがタウを食い止めているという。ダグラスは海軍で長年働いていた。ほとんど太平洋で過ごし、船のエンジンルームの温度は43℃あったという。長期間高温にさらされたことで遺伝子の働きが変わったという。
認知症とどう向き合っていくのか。ジル・リビングストンは「認知症の人は徐々にできることが少なくなっていくがそれでも多くのことを楽しむことが出来る。人々が人生の終わりを楽しむのを支援することは、社会としての役割だと思う」などと話した。谷口優は「声明を終える時の1つの方法とし1つの生命の終え方として認知症はそんざいしてるのかもしれない」などと話した。
認知症について山中伸弥は「認知症の治療が進んだとして80、90、100になっても寂しいみたいな、でも認知症にもならないとかになってしまったら、それはほんとうの意味で幸せなのかな。少しでも色んな病気を直そうと頑張っているけど、それが本当にいいことなのかなって悩むこともある」などと話した。
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エンディング映像。