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今回の旅人・秦瑞穂は福島の二本松駅を訪れた。ここから安達太良山の中腹にある名湯を目指す。車で30分、たどり着いたのは標高950mのスキー場の一角にある日帰り温泉施設「奥岳の湯」。山の景色と一体となるような露天風呂がある。白濁したお湯。泉質は硫黄成分を含む単純酸性温泉。標高600m、安達太良山の中腹には岳温泉の温泉街がある。今回の宿は「花かんざし」。瀟洒な建物。淹れたての抹茶で出迎えてくれた。秦瑞穂は和室にベッドタイプの寝室と風呂がついた部屋に泊まった。男女別の大浴場。半透明の湯だが、泉質は奥岳の湯と同じ硫黄成分を含んだ単純酸性温泉。岳温泉は安達太良山の中腹から湯守たちの手によって引き込まれている。週1回はパイプのメンテナンスが必要。内湯続きの露天風呂の浴槽は、ヒノキで作られている。夕食は福島県の食材にこだわった、アイデアあふれる料理が並ぶ。客室専用風呂は、信楽焼の丸い湯船。
宮城県の鳴子温泉駅から車で20分、ゲレンデ併設の日帰り入浴もできる宿泊施設「ホテルオニコウベ」へ。ヒノキ造りの内湯。湯船の底もヒノキ。泉質はアルカリ性単純温泉。ほのかにぬめりがあり、柔らかい肌触り。真っ白に染まる景色を見ながらの湯浴みは格別。
鬼首温泉から車で1時間の花山地区に知る人ぞ知る秘湯、温湯温泉がある。今日の宿は、昭和初期からこの地に立つ「佐藤旅館」。昭和初期の古き良き時代を感じさせる。2008年の岩手・宮城内陸地震や東日本大震災で閉業の危機となったこともあったが、地域おこし協力隊としてこの地を訪れていた阿部幹司さん(現在の主人)が復活させた。広々とした男女別の大浴場。泉質はナトリウム-塩化物泉。柔らかくて仄かなぬめりがある。かつては「寒湯」と書いて「ぬるゆ」と呼ばれていたが、明治時代に源泉の温度があがり、「温湯」に改名された。読みは変わらず。
温湯温泉がある花山地区は、日本で初めてイワナの養殖を成功させた場所。佐藤旅館の夕食でも、イワナの押しずしやイワナの漬け丼など、名産のイワナを活かした料理が提供されている。宿を再建させる際、ノスタルジーを感じさせる場所が欲しかったというご主人が作ったのが、昭和の雰囲気を醸す売店。駄菓子やおみくじ、イワナの加工品などが売られている。また、佐藤旅館にはもう一つ内湯があり、こちらにもこんこんと源泉が掛け流されている。