2023年9月6日放送 15:10 - 15:40 NHK総合

美の壺
「繊細に姿よく はさみ」

出演者
草刈正雄 
(オープニング)
オープニング

オープニング映像。

File564 繊細に姿よく はさみ
今回のテーマは

今回は極上のアートを支えるはさみの奥深い世界を紹介する。

一、心地よく手になじむ

江戸から飴細工の歴史は約200年。飴細工を作るのに使われているのが日本伝統の握りばさみだ。手塚新理さんは透明な飴細工を初めて世に送り出した。熱した水飴の温度は90℃になり、温度が下がり固くなるまでの5分間が勝負だ。手塚さんの握りばさみは裁縫などで使う一般的なものとは違い、バネの戻りが強い。7本指で作業しているイメージだという。

キーワード
花川戸(東京)金龍山 浅草寺

兵庫・小野市は江戸時代から播州刃物で知られる土地だ。手塚さんは握りばさみを作る工場を訪ねた。水池長弥さんが手掛ける握りばさみは「総火造り鍛造」という伝統的な製法で作られる。はさみの大きさやバネの強さなど細かな注文にも答えられる。30を超える工程を全て水池さん一人で行う。

キーワード
小野市(兵庫)
二、個性豊かな機能と形

関根秀樹さんは古代技術や道具の研究家で、世界各地のはさみを500本以上も所有している。羊の毛刈りばさみや刺しゅうばさみ、竹針ばさみなどを紹介した。

「富士川 切り絵の森美術館」は全国でも珍しい切り絵専門の美術館。レース切り絵というペーパーアートはたった1本のはさみで黒い紙を切り抜いて作られた。蒼山日菜さんは友人からの誘いで切り絵を始めてから8年後、スイスで開催された国際的なペーパーアートの展覧会でアジア人初となるグランプリを受賞した。蒼山さんが使う切り絵ばさみの刃渡りは24mmほど。今までに切り抜いた最も細い線は0.1mmだ。切れ味は紙の繊維一本も残さないという。日本のはさみ専門メーカーと2年をかけて完成させた。

キーワード
スイス富士川・切り絵の森美術館身延町(山梨)
三、想いを込める

華道家・笹岡隆甫さんが生ける花姿は引き算の美。重なり合った枝葉を極限まで削ぎ落とし、一輪の花、一枚の葉の輪郭まで際立たせるという。花ばさみを使って枝をたわませることもできる。

足立区に花ばさみを作り続ける名工がいる。川澄巌さんは手仕事にこだわってはさみを作り続けてきた。川澄さんの作る花ばさみは最高ランクの一つだと言われている。鋼と鉄を火で熱し、金槌で叩いて作る昔ながらの製法を守ってきた。一般的なはさみ職人のおよそ倍にもあたる80工程もの手間をかけ、丁寧に作ることで知られている。川澄さんのはさみは左右の刃がたった一点で交わる。切れ味とともにはさみ作りで追求するのはどれだけ長く使えるかだ。

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扇(東京)
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