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(オープニング)
オープニング
オープニング映像。
(視点・論点)
土とは何か?
藤井一至氏が食料生産の基盤である土について語った。土とは岩石が風化してできる砂や粘土、動植物の遺体が分解した腐植が混ざったもので、大さじスプーン1杯の土に100億個、1万種類を超える細菌が存在する。大雑把に分類すると、世界には12種類の土がある。永久凍土、北欧に多い水浸しの泥炭土、砂質のポドゾルは農業に適さない。対照的に肥沃とされるのがチェルノーゼムで、腐植やカルシウムが豊富。陸地面積の11%にしか分布していないが、60億人分の食料を生産している。日本に存在するのは黒ボク土。酸性のため、ソバ以外の作物がうまく育たず、農家を悩ませてきた。克服のため、宮沢賢治は石灰を売り歩いた。1センチの厚みの土ができるのに日本では100年、アフリカでは1000年という時間を要するが、気象状況によっては10年で1センチの厚みが失われてしまう。
土の腐植を回復することができれば、土の生産性を維持・向上するだけでなく、大気中の二酸化炭素を地中に固定することも可能になる。藤井氏は調査を行っているインドネシアでは収穫期にイネに実りがない不稔の問題がしばしば起こる。強く風化した土には、栄養分が乏しいという。永久凍土地帯にあるスーパーマーケットでは、萎れた白菜が一束1800円もする。藤井氏は「消費者として国内外の土、生産者と持続的な関係を築いていくことが私たち一人一人の課題」などと語った。
(エンディング)
エンディング
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