2024年5月18日放送 11:25 - 11:54 NHK総合

首都圏情報 ネタドリ!
首都圏情報ネタドリ! なぜ高騰?下落はする? 首都圏の“住まい”を徹底取材

出演者
合原明子 牧野知弘 
(オープニング)
なぜ高騰?下落はする?首都圏の“住まい”を徹底取材

家が高くて買えない。今、首都圏で多くの切実な声が上がっている。東京・世田谷区の新築マンション、68平米の部屋の価格は1億2000万円に上る。注目されているのがリノベーション。築数十年経った築古マンションが人気を集めているが、物件によっては思わぬリスクが潜んでいる場合も。

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世田谷区(東京)
オープニング

オープニング映像。

(首都圏情報 ネタドリ!)
なぜ高騰?いつまで続く?首都圏の“住まい”の行方は

3月に発表された住宅地の土地の価格の変動率を示した図を紹介。去年より上がった場所は首都圏の広い範囲で上昇していることがわかる。東京23区では去年、新築マンションの平均価格が初めて1億円を突破。

この春、都内の社宅を出ることになり家の購入を考えていた男性。東京で1年以上探してきたが手が届く物件が見つからなかった。引っ越したのは妻の実家に近い千葉県習志野市の賃貸マンション。7000万円の予算で探していたのは70平米ほどで都内の職場まで45分以内で通える家。しかし気に入った家は軒並み予算オーバーだった。

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東京都習志野市(千葉)

東京23区の新築マンションの価格はこの10年でおよそ2倍にまで跳ね上がっている。不動産会社、三菱地所レジデンスが今年2月に販売を開始した東京・世田谷区の新築マンション。最寄り駅からは徒歩8分、53平米の部屋の価格は8800万円。68平米だと1億2000万円に上る。マンションの販売価格に占めるデベロッパーの利益は一般的に5%から10%と言われている。しかし今、資材の値上がりなどの影響で建設費は3年前と比べて2割以上増加。土地代なども含めたコストが上昇しているため利益をこれまでと同じに据え置いたとしても高価格帯の物件になってしまう。そこで各社が競っているのが高い価格でも選んでもらえるマンションの高機能化。世田谷区のマンションのフローリングに使われているのは水分に強いチーク材。1億円を超えた物件でも販売を開始するとすぐに売れてしまうという。今、会社が企画しようとしているのは最も高い部屋が2億円ほどの高級マンション。都内では広い土地が減り供給できる戸数も減少。高価格帯で勝負する物件が増えているのが現状だという。さらに住宅価格高騰の波はこれまで値上がりが抑えられてきた戸建てにも。急成長を遂げてきた新興の不動産会社は入手した土地になるべく多くの住宅を建てることで価格を抑える戦略を取ってきたが、今、異変が。オープンハウスグループ常務執行役員・吉田真太郎さんは、今なんとか販売価格で1億円を切れるように企業努力をしている状況、などと話す。背景にあるのは23区を中心とした東京の地価の上昇。従来の手頃な価格での供給を目指して今、周辺3県の開発にも力を入れている。しかし、そこでも土地の獲得をめぐる熾烈な競争が起きている。大宮駅の周辺で土地の仕入れを担当している埼玉営業部の勝田係長は毎日地元の不動産会社を訪ね、家を建てられそうな土地を探している。今、東京の周辺部には戸建てメーカーや集合住宅を開発する業者が続々と参入し、土地の価格が急騰している。土地の情報の入手から購入を決めるまでわずか1時間半だった。

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オープンハウスグループ三菱地所レジデンス世田谷区(東京)

都内では希望の物件に手が届かず千葉・習志野市の賃貸マンションに移り住んだ女性。仕事柄、在宅勤務はできず、子供のお迎えはいつも退園時間ギリギリ。今も購入できる家を探し続けている。

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習志野市(千葉)

首都圏の住まいは今後どうなっていくのか。30年以上にわたり不動産業界を見てきた牧野知弘さんと伝える。住宅を求める子育て世代から手の届く家がないという声が上がっているが、理由の一つにそもそもマンションの供給数が減っていることがあるという。牧野知弘さんは、1つ目にマンションを建てる土地が少ないと説明。これに加えて建物の建設費が非常に上がっていて、土地も建物も高いので総額がはってしまい、供給できる戸数が少なくなるという。日本の資産別世帯数を紹介。

“住まい高騰”で人気上昇 “築古”マンション最新事情

東京・江東区に妻と2歳の子供と暮らす戸谷さん。2年ほど前に築42年、73平米の中古マンションを購入してリノベーション。かかった費用は全部で5000万円。マンションによくある2LDKの間取りを1LDKに一新。この中古マンションのリノベーションを担った東京・港区の会社。今、特に売れているのが築30年以上のマンション。昨年の売上の65%を占めている。リノベる コンセプトデザイン本部部長・齋藤高央さんは、地区30~40年の価格が抑えられている物件を購入してその分内装にお金をかけて自分らしい暮らしを室内の方で実現したいという方が増えているのかなと話した。

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リノベる川崎(神奈川)江東区(東京)港区(東京)葛飾区(東京)
人気の“築古”マンション 実は新築よりも…

オラガ総研・牧野知弘代表は築古に注目があたる要因として広さに注目している。築年の古いマンションほど平均の専有面積が広いというデータもある。

人気の“築古”マンション 知っておきたいリスク

気づかぬうちに進む恐れがあるというのが漏水。首都圏でマンションの配管工事を専門に行う会社には今、修理の相談が相次いでいる。原因の多くが古いタイプの銅でできた急凍管だという。ニッポンリニューアル代表取締役社長・工藤秀明さんは「日本の水道水には残留塩素がなければいけないんですけれどこの塩素と銅管の相性が悪い」などと説明する。さらにリノベーションの内容を十分に確認するべきだという人も。住宅診断士として数多くの中古マンションを見てきた専門家によると、近年、壁紙の裏にカビが生えていたなどトラブルの相談が増えているという。さくら事務所 ホームインスペクター・田村啓さんは、どこまで直しているのか確認しないと落とし穴があるかもしれない、と警鐘を鳴らした。

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さくら事務所ニッポン・リニューアル
人気の“築古”マンション 購入時のポイントは? / 高騰はいつまで?買い時は? 専門家のオススメ購入戦略 / “家が高くて買えない…” どうする!?ニッポンの住宅政策

人気を集める築古マンションにはリスクも忘れてはならない。オラガ総研・牧野知弘代表は「業者選びが極めて大事になると思う」と話す。不動産経済研究所の松田忠司主任研究員は「資材価格や人件費はますます高騰。今後下がっていくとは考えづらい。今年から来年にかけて市川、船橋、川口、蕨など比較的都心にアクセスの良い場所で新築マンションの供給が増えてくる。23区以外も視野に」、住宅情報誌編集長の池本洋一さんは「都内でも穴場はある。急激な金利上昇が起こる可能性は低いが住宅価格が下がる見込みも薄い。都内でも急行停車駅から1駅外した場所などは比較的安い物件もありおすすめ」としている。牧野代表は「悩んで疲れるくらいなら待つのも手」。新築を含めたマンションの価格が上がっている一方で総務省から発表になったように空き家が全国で900万戸、しかも東京が89万戸もある。空き家を家が欲しい人に対して流通をしていくような仕組みづくりも必要だと話した。

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SUUMO不動産経済研究所松田忠司池本洋一
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