- 出演者
- 宮根誠司 藤本万梨乃 鈴木悠 ジョセフ・クラフト 石田健
迫田裕治警視総監の異例の謝罪会見の理由は冤罪。軍事転用が可能な機械を不正に輸出したなどとして無実の社長ら3人が約11か月にわたり身柄を拘束された大川原化工機事件。その後行われた裁判の中では警視庁公安部など捜査機関の違法な捜査が明らかになった。日本では刑事事件で起訴された場合、有罪率は99.8%。無罪判決が下されることはほとんどない。わずか0.2%を手繰り寄せる1人の男がいる。弁護士・秋田真志氏は数々の逆転無罪を勝ち取ってきた。1件でも無罪にできれば称賛される弁護の世界で勝ち取ってきた無罪判決は28件。不動産会社の元社長が罪に問われたプレサンス巨額横領事件、我が子を激しく揺さぶって死亡させたとして多くの親らが起訴された赤ちゃん揺さぶり事件、義理の娘に暴行を加えたとして父親が逮捕された今西暴行事件でわずか0.2%の無罪を信じ、埋もれた真実を見つけ出してきた。知られざる舞台裏を初めてメディアに明かした。
弁護士・秋田真志氏が無罪を勝ち取れる理由を描いた映画「Winny」。ファイル共有ソフト「Winny」開発者・金子勇氏が著作権法違反ほう助の罪に問われた事件を描いたノンフィクション。映画には主任弁護士を担当した秋田氏をモデルにした役柄が実名で登場。無罪を取り続ける秘密が描かれている。0.2%に埋もれた事実を見つけ出す洞察眼。Winnyはパソコン同士が直接オンラインでつながることでファイルを交換できる。一方で市販の映画、音楽、ゲームなどの海賊版が拡散。社会問題化し、逮捕者が続出した。開発者である金子氏が著作権の違反行為を手助けしたとして逮捕された。逮捕の大きなきっかけとなったのは誓約書として書いた文書。警察に書かされたものだと証明し、金子氏に罪の意識がなかったと訴えた。
オープニング映像。
MC・宮根誠司、フジテレビアナウンサー・藤本万梨乃の挨拶。ゲストの経済アナリスト・ジョセフ・クラフト、「The HEADLINE」編集長・石田健を紹介。
Winny開発者・金子勇氏が実際に書いた誓約書の中に警察に書かされたことを証明するヒントが隠されている。
秋田弁護士が無罪への糸口として発見したのは、「蔓延」という言葉。金子氏が誓約書の中に書いたこの言葉に、無罪への突破口があると睨んだ。金子氏を取り調べた刑事が証人として出廷した反対尋問で、秋田は勝負をかけた。秋田は「金子氏は蔓延という言葉をめったに使わない」と指摘し、証拠として刑事がこれまでの捜査で作成してきた調書を提出。誓約書は金子氏自身の言葉ではなく、「蔓延」という言葉を頻繁に使っていた刑事によってでっちあげられたものだと主張したのだ。こうして証拠の中のたった2文字から、0.2%の無罪への扉をこじ開けた。弁護士・秋田真志の1日に密着すると、1件目の打ち合わせは幼児虐待を疑われ傷害致死の罪で被告となってしまった男性の事件。秋田には医師顔負けの専門知識があり、海外の最新医学の研究史料を取り寄せては読み漁っているという。秋田が依頼人と向き合う時に必ず意識することは、「まず信じることから始めること」。人は誰でも嘘をつく、それが冤罪を生み出すきっかけにもなりうるという。2021年10月に秋田弁護士の事務所を訪ねてきた自動車整備会社を営む男性は、その8か月前に店で他の客と口論になった友人を止めようとしたという。けんかをする2人を外に誘導して店に戻ると、店内には男性が倒れていた。
飲食店でけんかになった2人を店の外に出した後、男性が店内に戻ると目の前に倒れた男性がいた。友人とケンカになった男性の同僚だったが、のちに左眼窩底骨折など全治2カ月のけがを負っていたことがわかった。その9カ月後、男性の自宅を突然警察官が訪ねてきた。飲食店でのケンカについて詳しく聞いたいという。自分は関係ないと思っていたが、その6日後に警察署に呼び出され事情聴取を受けた。実はけがをした被害者が「男性に殴られた」と供述し、知らぬ間に加害者にされていた。男性は在宅起訴され、有罪率99.8%の壁が立ちはだかった(2024年度司法統計を基に算出)。たった1人の目撃証言で加害者とされてしまった男性の裁判に向け、秋田は事件現場で検証を行い3台のカメラで撮影した。その中で秋田は0.2%の無罪への糸口を見つけた。
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2022年9月、初公判が始まった。検察は被害者が男性に殴られたと主張し、懲役1年6カ月を求刑した。これに対し弁護側は無罪を主張。しかし男性の友人とケンカをした人が、男性が殴った瞬間を目撃したと法廷で証言した。反対尋問で秋田は、被害者の主張の不自然さを明らかにしていった。秋田は裁判前に行った検証で、男性の潔白を示す決定的な証拠を見つけていた。
被害者は、カウンター内から回り込みケンカをする2人の横を通って男性の前に立ちはだかり、殴られたと証言していた。秋田弁護士が現場での検証で見つけた、無実を証明する事実とは。
秋田弁護士は反対尋問で、ケンカをする当人たちを止めようとせず男性を止めに行ったことを不自然だと指摘。実は秋田は被害者は男性の前にたどり着けていないと確信していた。
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男性がケンカする友人を店の外に連れ出そうと駆け寄る場面で、秋田弁護士はあることに気がついた。被害者の主張では、男性が友人に駆け寄る間に男性の前にたどり着いたとしていた。しかしその時間は1秒にも満たない。そのわずかな時間で、被害者がカウンター内から男性の目の前に行くのは不可能だと指摘した。さらに現場の通路は人が1人立つとふさがるほど狭い。秋田はケンカを止めようとする人たちでふさがった通路を通り男性のもとにたどり着くのは不可能で、被害者が男性に殴られたという状況が起こり得ないことを証明した。結果は無罪だった。被害者はなぜ男性に殴られたと証言したのか、実は警察の事情聴取の際、男性と友人の写真2枚だけを見せられ「殴ったのはどちらか覚えているか」と聞かれていた。このときに被害者はどちらかが犯人だと思い込んでしまった可能性がある。秋田は今月9日に行われた講演会で、取り調べの可視化について弁護士らに向けて訴えていた。
石田健は「人質司法と言われるが、制度全体に問題があると感じてしまう」などとコメント。ジョセフ・クラフトは日米の裁判の違いについて、「アメリカでは弁護士不在で事情聴取はできない。また警察側の証拠は全部被告人側に渡さないといけない。推定無罪の立場から制度ができている」などとコメントした。
乳幼児を激しく揺さぶり虐待したとして親などが相次いで罪に問われた事件の裁判で3件もの逆転無罪判決を獲得した秋田弁護士と、2つの正義の間で悩む弁護士記者を追ったドキュメンタリー映画「揺さぶられる正義」が9月20日から公開される。
自民党の茂木敏充前幹事長は、自民党総裁選への出馬を一番に表明。地元・栃木では“庶民派”をアピールしつつも、きょうのフジテレビの番組では「小泉進次郎農水相よりも政治家としての経験と実績がある」と自信をのぞかせた。一方若手のホープ「コバホーク」こと小林鷹之元経済安保相も、小泉農水相との論戦に意欲をみせた。当の小泉農水相は、きのう地元の神奈川県横須賀市の会合に出席。「私がやるしかないだろう」と強い決意を表明したという。林芳正官房長官や高市早苗前経済安保相も出馬の意向を固めている。
自民党総裁選には茂木敏充前幹事長、林芳正官房長官、小林鷹之元経済安保相、高市早苗前経済安保相、小泉進次郎農水相の出馬が予想されている。ジョセフ・クラフトは「前回の1年前と違い少数与党なので、環境が違う。安定政権と人気の2つの部分をつなげられる候補が勝つ」などとコメント。石田健は「地方からの支持を誰が集めるのか。本命視されている高市さんも小泉さんも、地方が弱い」などとコメントした。フルスペック型総裁選となるが、小泉農水相の備蓄米放出が農業票にどう影響するかについてジョセフ・クラフトは「小泉氏の『自民党はBtoBからBtoCに変わらないといけない』という発言は、農業票や地方の票を敵に回す可能性がある」などとコメントした。
静岡県伊東市内の高校で実際に出された時事問題のテストには、「伊東市長が主張している卒業証書を見せた秒数は何秒か」という問が。