- 出演者
- 大浜平太郎 中原みなみ
この番組はモーニングサテライトの特集コーナーにもなっているスタートアップ特集の特別版だと中原みなみが説明した。スタジオの成田修造を紹介。成田修造は国の国策とスタートアップが絡んできてる、エネルギーとか自動運転とか、そういう印象がある、そこにチャンスがあるとも言える等と話していた。
ユニコーン企業は、推定企業価値が10億ドル(約1500億円)以上の巨大な未上場企業のことだと大浜が説明。NEXTユニコーンとは、ユニコーン企業への成長が期待される企業。今年7月に取り上げたのはランキング14位の京都フュージョニアリング。巨大な電子レンジのような装置・ジャイロトロンは巨大な電磁波を発生させ、水素を超高温のプラズマ状態にする。さらに高市早苗総理が所信表明演説で「次世代革新炉やフュージョンエネルギー(核融合)の早期の社会実装を目指す」と述べる追い風も。核融合実用化が加速するとの見方も出ている。8月に紹介した85位のCraifは尿から手軽にがんリスクを検査できるとうたう検査キットで注目される。投資家の本田圭佑が投資することでも知られる。小野瀬隆一CEOが今年秋にアメリカに移住。アメリカ市場も攻略すべくビジネスをスピードアップさせている。NEXTユニコーン調査でも目立つのはやはり、AI関連のスタートアップ。今回注目したのはランキング11位のLegalOn Technologies。複数の弁護士がAIの回答の法的根拠を検証し精度を高めている。このAIに契約書を読み込ませると修正案などをAIが指摘。数秒の契約書などのチェックが完了する。日本の上場企業では30%がこのシステムを導入しているという。さらに今年7月にはOpen AIとの戦略的連携を発表。もう一社AI関連で注目なのは医療系アプリを提供するUbie。50人以上の医師の監修のもと、5万本以上の医学論文でAIを構築。Ubieの阿部吉倫医師は、砂漠の中野道標をテクノロジーの力で構築し、医療迷子をレスキューしていきたい等と話していた。
成田修造は核融合について、サム・アルトマン氏も言っているがそんなに先なんじゃないんじゃないか、5年10年でかなり進むんじゃないかなどと説明。Aについて日本としては、基盤になるAIを独自につくるというよりは大手のAIを上手に利用して新しいサービスを作るほうが現実的かと聞かれると、中国でDeepSeekというのが出たが、それを作ったコストはOpenAIと比べると100分の1から1000分の1で出来ていると、つまりお金をかけなくても出来る方法はあるんじゃないかというのもある、と話していた。
宮崎・都城市で都城市上下水道局の山崎裕太副主幹が急いで向かったのは、水道管の工事現場。管のつなぎ目から漏水が起きていた。都城市では水道管の老朽化に伴う漏水が1日当たり約2件発生しているという。水道管の老朽化に伴う漏水・破損は全国で約2万件超。ただ、漏水場所の調査には音を聞き取る調査が必要で、すぐに特定することは簡単ではない。発見が遅れ道路の陥没など大きな被害も出ている。しかし都城市では最新技術で漏水の早期発見が出来るようになったという。宮崎・都城市は2024年人工衛星を使った宇宙水道局というサービスを導入した。都城市上下水道局にやってきたのは宇宙水道局のシステムを開発したスタートアップ・天地人の岡田和樹。この日は宇宙水道局の新機能の説明に訪れていた。今回の新機能でリスクの高いエリアの色分け表示だけでなく、調査を優先すべき水道管を絞り込めるようになった。しかしなぜ人工衛星で分かるのか。岡田和樹は、地表面の温度や地盤の変動を取得していて、その他にオープンデータから地質や地形を取得して、AIで分析・診断した結果が赤やオレンジで示されていると説明した。
天地人の本社は東京・日本橋にある。2019年創業で従業員数83人。天地人CEOの櫻庭康人は今年、スタートアップ界隈で注目の人となった。IVS2025 LAUNCHPADで、見事2位に入賞を果たした。成長を続ける天地人を率いる櫻庭は、大学を出ていなくて美容の専門学校に行っていた、美容師免許を取って1カ月働いたがこのままの人生で良いのかと思い、映画ラストサムライのエキストラをやったこともあるという。櫻庭が転機を迎えたのはいまから8年前、宇宙ビジネスのコンテストで共同創業者の百束泰俊と出会った。今年1月には独自の衛生を飛ばす計画も発表。新たなビジネスを視野に入れている。11月初旬、愛知・刈谷市のアイシン本社を櫻庭が訪れた。天地人はアイシンとともに実証実験を始めている。天地人の宇宙水道局とアイシンのみちログを連携させた。みちログはタクシーなどの車載カメラで道路状態を調べるサービス。水道管の老朽化リスクが高いエリアの道路写真を天地人に提供する。天地人は道路のひび割れなどと水道管の劣化との相関関係を検証する。両者の実証事件は静岡・磐田市で9月にスタートしていて、他自治体にも広げていく予定。今後はインフラ全体の点検の効率化の構想を持っている。
天地人の櫻庭康人CEOがスタジオに登場。昼夜の寒暖差が水道管の漏水リスクを高めるという。天地人の「宇宙水道局」は調査対象のエリアを全体の2%程度まで絞り込む事ができる。自社で衛生を飛ばすことも検討している狙いとして櫻庭は、ソフトウェアの方から開発してきたことで、どういうデータが欲しいか、顧客ニーズを集められている中で、これを衛生にしたときにどういうデータが必要なのかが見えてきたこともあって、自社で開発しようとなったという。
秋田市の美酒王国秋田 Sake-Naviで、一風変わった日本酒・真空酒が人気を博している。真空酒を初めて飲むという女性は、おいしい、フレッシュと話していた。高橋朝子店長は、蔵で搾ったお酒を真空パックにして、まだ空気に触れたことがない、空気を知らないお酒だと話す。真空酒とは地元酒造と連携し真空パックにした生酒。この取組は東京・恵比寿のインターホールディングスが始めたもの。インターホールディングスCEOの成井五久実は、飲水を新鮮に保てるとうたい、あの真空パックをクラウドファンディングに出したところ、目標の7倍以上も売れた。他にも真空の特許技術を使い様々な製品を作っている。日本酒を入れる家庭用パックのshin-ku BOTTLEは、真空率99.5%を実現するという。その技術の核になっているのがキャップの下のドーム型の部品。この技術はハジー技研の萩原忠さんから譲り受けたもの。成井はこうした日本の技術を世界に広げるため、インターを創業したという。
9月中旬、大阪・関西万博会場の一角に日本酒サーバーの新型サーバーが設置されていた。日本酒サーバーをネットに接続し、パックの自動発注が可能になる予定。ホテル事業を手がける担当者などから注目を集めていた。さらに事業と子育てを両立する成井は連続起業家でもある。28歳で立ち上げた男性向けWEBメディア JIONを1年後に3億円で売却。その資金を元に2社目となるインターホールディングスを立ち上げた。
成井は真空パック事業の成長を加速させるため、新たなチャレンジに乗り出そうとしていた。その舞台はジョージア。海外営業担当の岡本奎志とともに、この地を訪れた。首都・トビリシの中心部は風情ある町並みで知られている。街の中心部でトルコ式の天然温泉に入ることも出来る。そんなジョージアはワイン発祥の国でもあリ、町中でもワインショップがいたるところにあり、商品も多くが地元ジョーシア産。日本酒に続き、今度はワインで真空技術を使おうという。成井が向かったのはシグナギという街の周辺にあるワイン生産地。成井はワインを日本に持ち帰り味の変化をテストしたいと考えていた。ジョージアンワイナリーでは伝統的な製法を守り続けているという。ジョージアワインの製法が、土製のかめ(クヴェヴリ)を地中に埋め、その中でブドウを発酵・熟成する。世界最古のワイン製造法として2013年にユネスコ無形文化遺産に登録された。クヴェヴリの中でまるごとの白ブドウを発酵させたワインは鮮やかな琥珀色が特徴。今回のテストに協力してくれたこちらのワイナリーは、ジョージア出身・元大関の栃ノ心(レヴァン・ゴルガゼ)さんがオーナーを務めている。成井は、私達が飛行機で運び、味に変化がないかを日本で試してみるという。ジョージアの訪問から1ヶ月後、東京・恵比寿のインターホールディングスにやってきたのは、栃ノ心。真空で輸送したワインの味わいは?
特許技術の真空パックでジョージアワインの新鮮な味わいを日本へ持ち帰ろうと考えたインターホールディングスの成井五久実CEO。ジョージアから帰国した1ヶ月後、東京・恵比寿のインターホールディングスにやってきたのは、栃ノ心。岡本が冷蔵庫から取り出したのが真空で輸送したワイン。テイスティングした栃ノ心は、素晴らしい、本当にすごいとコメント。10月下旬、成井たちが向かったのは東京・墨田区の栃ノ心が営むジョージア料理レストランの予定地。ジョージアンハウスという名前で12月に開業予定。そこに成井たちが持ってきたのは真空サーバー。真空ワインとサーバーがセットで導入されることが決まった。
インターホールディングスの成井CEOがスタジオに登場。持ってきた真空パックで実際に使うところを見せた。成井は真空にするって通常は大きい機械や設備投資が必要だが、それがまったくないということはフードロスや食料飢餓の中心地であるグローバルサウスのコールドチェーンが成り立っていない地域に実装すると大きいビジネスになるのではというのが一番の動機だったという。
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天地人の櫻庭康人CEOは、社会課題の解決の仕方というのは宇宙だけじゃなくこういう特許技術もあって、スタートアップがこれから解決すべき良い課題だと改めて感じたとコメント。インターホールディングスの成井五久実は、インターホールディングスを軸に、大企業や政府、様々なステークホルダーを巻き込んでディープテックを社会に実装することを軸に頑張っていきたいと語った。
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2024年12月15日(16:00)
