2025年9月28日放送 21:00 - 21:50 NHK総合

NHKスペシャル
未完のバトン・最終回 人生の最期と“希望” 長寿社会の果てに

出演者
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(オープニング)
未完のバトン最終回 「最期」の希望 長寿社会の果てに

国の調査では、長生きを良いと思わない人が3割にのぼっている。在宅医療専門の医師は世界の最前線の現場を訪ね、患者が人生をまっとうできる医療を突き詰めようとしていた。相次いで安楽死の法制化が進むヨーロッパで、理想と対極にある価値観と向き合った。

キーワード
国立社会保障・人口問題研究所
オープニング

オープニング映像。

未完のバトン最終回 「最期」の希望 長寿社会の果てに
最後まで希望を持って生きられる医療

愛知と岐阜を拠点とする在宅医療の専門医・市橋さんが運営するクリニックはチーム医療が最大の特色で、歯科医師や管理栄養士、音楽療法士まで幅広い職種のスタッフが在籍する。患者の様々な希望に応え、生活の質を最大限向上させるためチーム医療にこだわっている。かつては大病院にいたが、患者の生活に寄り添いたいと16年前に在宅医療の道に進んだ。海外の視察を繰り返し、在宅医療や終末期医療の最先端の現場を学んでいる。患者が最後まで希望を持って生きられる医療を模索していた。間質性肺炎を患う患者の林さんはかつて国内外を飛び回っていたが、思うように体が動かない中で「長く生きても仕方ない」と先への意欲を失うようになっていた。市橋さんは、こうした思いを持つ人たちに何ができるのか答えを探したいと考えていた。

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イギリスインドドイツ総合在宅医療クリニック羽島郡(岐阜)間質性肺炎
人生の最期をどう迎えるか

人生の最期をどう迎えるかは時代とともに変化してきた。戦後日本は公衆衛生の充実や医療技術の進化、国民皆保険の導入などによって人々の健康を大きく増進させてきた。昭和の終わりには世界一の長寿国となり、1990年代には約8割が病院で最期を迎えるようになる。命を延ばすため様々な医療が施されたが、苦痛を伴う日々が続くことに対して抵抗感を抱く家族や患者も現れた。2000年代には無縁死や孤独死が社会問題になり、長く生きることへの不安が高まった。国の調査では、長生きを良いと思わない人が全体の29%にのぼっている。

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厚生労働省国立社会保障・人口問題研究所成田きん日本脳炎生活と支え合いに関する調査簡易生命表蟹江ぎん
ポジティブヘルス

終末期の患者との向き合い方を学ぶためオランダを訪れた市橋さんは、ポジティブヘルスと呼ばれる試みに取り組むクリニックで話を聞いた。患者に自らの状態を6項目で評価してもらい、体の状態だけでなく社会とのつながりや生きがいなどを重視する。患者の女性ははじめ体の痛みを訴えていたが、ポジティブヘルスによって楽しいこともあると前向きになっていた。今年フランスやイギリスの議会下院で、終末期の患者が死を選ぶ権利を認める法案が相次いで可決された。安楽死が合法化されている国では、終末期の高齢者でなくてもその選択をする事例が増えている。市橋さんはオランダで年間10人ほどの安楽死を実施しているインゲン医師と対話した。終末期の治療をしなければ人間らしい死を迎えられると語るインゲン医師に、市橋さんは患者の意思は変化しうるものだと反論した。

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イギリスオランダフェラーリフランスポジティブヘルスポジティヴヘルスジャパン
安楽死についての議論

市橋さんの信念は患者との日々の中で築かれてきた。がんを患い余命宣告を受けていた羽角さんは、吐き気や倦怠感と戦いながら自分らしい日々を送ろうとしてきた。市橋さんは治療だけでなく羽角さんの希望を叶えるサポートに力を入れてきた。病気で諦めていた息子との旅行や友人とのお泊り会などの外出に合わせて治療日を組み換え、時には医療スタッフを立ち会わせた。亡くなる6日前には、桜の下で好きな音楽を聴きたいという最後の願いを叶えた。自分の最期をどう決めるのかの議論は日本でも続けられてきた。延命治療を行わずに死を迎えることを望む患者が増えたことを受け、1990年代には医療現場で尊厳死が容認されるようになった。現在日本では安楽死は認められていないが、近年は日本人が海外で安楽死を選ぶ事例が出てきている。

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名古屋(愛知)日本医師会
最期を迎える選択肢の多様化

市橋さんはパリで俳優の笈田さんに話を聞いた。10年前に皮膚の難病を患い日々激しい痛みと闘っている笈田さんは、6年前に安楽死を支援する団体に登録した。笈田さんは、ある一定の年齢になれば生き続けることを終わらせる自由の選択をすることができるようになってはいけないのか、死ぬことがあるから生きがいがあると話した。市橋さんは、使える時間が長くなるのは人類の希望だったから長くなっていくと思うが、終わり方はもっと考えなくてはいけなくなってきていると答えた。最期を迎える選択肢が多様化する現代で、その選択は残された人にも重い意味をもつようになっている。オランダでは夫を安楽死で亡くした女性に話を聞いた。女性は悲しみを抱えながら夫の選択を理解しようとしてきた。笈田さんは舞台への情熱は今も失っておらず、市橋さんとの対話のあとも自らの死のありようを問い続けていた。市橋さんは改めて生きることに寄り添う医師でありたいと感じていた。

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オランダパリ(フランス)沈黙 -サイレンス-
希望を持ちながら迎える最期

市橋さんは今、約50人の人生に伴走している。7月には好きな帽子を被って外出するという願いを持ち続けていた林さんを外に連れ出し、近所のスーパーで買い物をした。外出から2か月後、林さんは自宅で息を引き取った。

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名古屋(愛知)
(エンディング)
エンディング

エンディング映像。

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