2025年9月15日放送 1:00 - 1:49 NHK総合

NHKスペシャル
選 恐竜超世界(2)「史上最強!海のモンスター」

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(オープニング)
オープニング

全長15mのスピノサウルスをはじめ、水中に進出しようとした恐竜の存在が明らかになった。ところが、海中には恐ろしい海竜が存在していた。恐竜とは別の進化を辿った生物で、頂点に君臨していたのがモササウルス。陸の王者、ティラノサウルスに比肩したとも言われている。

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スピノサウルスティラノサウルスモササウルス
第2集 史上最強!海のモンスター
6600万年前

太古の昔の海には長い首が特徴のプレシオサウルスの仲間をはじめ、恐竜時代における最大級の肉食魚、シファクティヌスなど様々な生物が生息していた。その中で海竜のモササウルスは全長13mで、大型バスよりも大きかったとされる。番組ではメスのモササウルスに注目し、ジーナと命名。ティラノサウルスですら波打ち際で奇襲されると、ひとたまりもなかったかもしれない。

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シファクティヌスティラノサウルスプレシオサウルスモササウルス
史上最強!海のモンスター

ジーナのモデルとなったサイズのモササウルスの化石が発見されたのは日本で、2014年に神戸市にある高校の生徒が山中で発見した。海外で発掘されたモササウルスの化石に当てはめると、頭の大きさだけで約2m、全長13mとされ、世界最大級のモササウルスだという。最新研究では、プリオサウルスと呼ばれる海竜の口の中から恐竜の鱗が発見され、モササウルスなどの海竜は恐竜を襲撃していた可能性は高いとされる。加えてモササウルスが知恵を持ち合わせていたことも明らかになってきた。

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アンモナイトノドサウルスブリストル市立博物館・美術館プリオサウルスモササウルスロイヤル・ティレル古生物博物館神戸市(兵庫)
6600万年前

6600万年前、モササウルスは現在のシャチのように待ち伏せの狩りを行っていたと考えられる。知恵も発揮し、大好物のアンモナイトの狩りでは死角から襲撃。殻の中に空気をためて浮いているので、損壊した殻から空気が抜けると溺れてしまうという。これまで、世界中では数千体のモササウルスの化石が見つかっている。

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アズダルコアンモナイトモササウルス
史上最強!海のモンスター 空前の大反映の謎に迫る

小西卓哉博士はモササウルス研究の第一人者で、「地球上に登場してから、モササウルスはまたたく間に世界中に分布を広げて大型化した」と話す。

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モササウルス
6600万年前

恐竜時代に急速な繁栄を遂げたモササウルスだが、過去を遡ると恐竜の影に怯えるちっぽけな生き物だったという。今から3億年前、恐竜と海竜は原始的な爬虫類から別々の進化を歩んだ。海竜のモササウルスはトカゲや蛇が属するグループ、恐竜はワニなどが属するグループへと進んだ。

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モササウルス
1億年前 アフリカ

モササウルスの祖先は全長1mにも満たないトカゲとして陸で暮らし、どんなものでも飲み込める大きく開く口を有していた。当時の陸地では大型化を遂げた恐竜も生息していて、モササウルスの祖先は逃げる他なかった。空からも脅威が迫るなか、海に活路を見出して適応するものもいた。天敵となる肉食生物、獲物を横取りするライバルは少なく、モササウルスの先祖にとっては理想郷だったかもしれない。

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アベリサウルスモササウルス
それから3000万年後…

3000万年後、モササウルスが海の王者として君臨し、恐竜をもターゲットにしていた。

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ティラノサウルスハドロサウルスモササウルス
史上最強!海のモンスター 進化のカギを握る トカゲ

静岡大学の加藤英明氏はトカゲの習性からトカゲの仲間であるモササウルスの進化を研究していて、オーストラリアでお目当てのマツカサトカゲを手で捕獲した。多くのトカゲは産卵するが、マツカサトカゲはお腹の中で赤ちゃんを育てる性質を持つ。過酷な環境下で子孫を残すため、モササウルスの先祖は胎生を獲得したと思われる。

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オーストラリアディレピスカメレオントリエステ市立自然史博物館ドワーフスキンクフトアゴヒゲトカゲマツカサトカゲ胎生静岡大学
1億年前

古代ウミガメ、デスマトケリスの仲間が産んだ卵は恐竜の餌食となった。一方、モササウルスのご先祖は胎生によってお腹の中で赤ちゃんを育んでいた。産卵のために陸地に上がる必要はなく、生存の確率は高かったと言える。

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アベリサウルスデスマトケリスモササウルス胎生
史上最強!海のモンスター 胎生が育んだ”特別な力”

2018年、モササウルスのお腹にいた赤ちゃんの化石の一部が発表された。全長2.2mであることを考えると、モササウルスの赤ちゃんは大きな体躯まで成長して産まれていたという。モササウルスは哺乳類と同じく胎盤を獲得していたと考えられ、赤ちゃんは胎盤を通して栄養を摂取していた。マツカサトカゲも胎盤を持つ他、子育てをする。他のトカゲでは珍しい習性とされる。

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スタンバーグ自然史博物館マツカサトカゲモササウルスロサンゼルス郡自然史博物館胎生
6600万年前

ジーナと命名されたモササウルスはメスだったことから、胎生していたと考えられる。また、化石の証拠から出産時はほかのモササウルスと身を寄せ合っていたという。産まれた子供はすぐに息を吸わないと窒息するため、出産は浅瀬で行われた。産まれたての子供は肉食魚のターゲットにされたなか、親は子供を保護。陸地ではトロオドン、デイノケイルスといった恐竜が生息していたなか、直径10kmを超える巨大隕石が飛来。地球上の75%の種が全滅し、恐竜も海竜も姿を消した。

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シファクティヌスデイノケイルスプレシオサウルスモササウルス
それから6600万年後

小西卓哉氏は「食物連鎖の頂点にいたモササウルスでさえ、生態系がガラリと変るといなくなった。非常に繁栄している我々人類にはどういう道が待っているのかという問いに答えを提示していくれるのかなと思います」と語った。

(エンディング)
エンディング

エンディング映像。

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