“人間魚雷”「回天」をテーマにした舞台「あゝ大津島 碧き海」が戦後80年になる今年、周南市で7年ぶりに上演され、会場には約950人が訪れた。舞台は思い悩んだ末に特攻を志願した若者たちが幸せに過ごす日常から戦局の悪化とともに死に向かっていく姿を描いている。このうち訓練に励むシーンでは足を伸ばすことも難しい狭い操縦席で複雑な発進手順を必死に学ぶ様子に加え、訓練中のトラブルで搭乗員が死亡したことも描かれる。そして若者たちは故郷にのこした家族や恋人に思いを馳せながら出撃していく。また回天の機体の事情から出撃できなかった元搭乗員の老人が戦後生き残ってしまった負い目を語り続ける苦悩も語られる。