第170回芥川龍之介賞・直木三十五賞の選考会が今日東京で開かれ、芥川賞に九段理江「東京都同情塔」が選ばれた。九段理江は大学卒業後、研究室の助手などを務め2021年に「悪い音楽」で文芸誌の新人賞を受賞し小説家としてデビュー。「東京都同情塔」は、犯罪者は同情されるべき人々という考え方から、犯罪者が快適に暮らすための収容施設となる高層タワーが新宿の公園に建てられるという未来の日本を描いている。タワーをデザインした建築家の女性が、過度に寛容を求める社会や生成AIが浸透した社会の言葉のあり方に違和感を覚え、悩みながらも力強く生きていく姿が描かれている。