ユカさんのこだわりは目が隠れるほどの長い前髪。周りは長すぎる前髪を気にするが、ユカさんにとっては大事なもの。ユカさんが学校に行けなくなったのは小学1年生の時。自らを「オレ」と呼ぶユカさん。不登校になった理由を母・アイコさんは「本人が『いじめられた』と言っている。私的にはちょっかいをかけてくるくらいの感じだと思っていた」と話す。責任ある仕事に就いていた母親にとって、娘が学校に行ってくれないと仕事ができない。家から出られなくなった娘のためフリースクールなどを探し回ってやっと見つけたのが「楽ちん堂」だった。母親は15年勤めた会社を辞め、娘と向き合う時間を作った。その甲斐あってかユカさんは週2日、学校の相談室に通えるようになった。4年間見守ってきた清子さんが「弁護士になれるよ」と話すのには理由がある。
去年春、ユカさんはついに6年生になった。母・アイコさんは娘の今後を心配し、不登校の子どもを受け入れる中学校を見つけてきた。ところがそんな母の心配をよそにユカさんは中学受験に挑戦するという。早速勉強を開始したが、ユカさんの遅れは大きなものだった。漢字の勉強も手つかずのまま。「楽ちん堂」では常連さんが子どもたちに勉強を教えてくれる。あまり参加していなかったユカさんも慌てて教わるようになった。さらにはリモートで勉強を教えてくれる常連さんをつかまえる。秋になるとユカさんは「楽ちん堂」にほとんど来なくなった。冬になっても会えないまま。母親に聞くと「家で勉強している」という。年が明けて1月。取材班がようやくユカさんに会えたのは受験まであと1か月を切った頃だった。久しぶりに「楽ちん堂」にやってきたユカさん。すると家庭教師について勉強していた。受験勉強もラストスパート。以前のユカさんとは姿勢が違うが、どうしても気になるのは前髪。母・アイコさんは何度も「切ったほうがいいんじゃないの?」と言ったそうだが、ユカさんは「イヤだ」というそう。ユカさん親子はそのまま受験することを決めた。受験まであと数日と迫ったこの日、「楽ちん堂」ではみんなが段ボールを切ってユカさんに贈る「手作り絵馬」を作っていた。ユカさんは絵馬を受け取ると「名言集みたい。みんな書いてくれたんだね。喜べるテンションをもってきてなかったわ」などと言った。
去年春、ユカさんはついに6年生になった。母・アイコさんは娘の今後を心配し、不登校の子どもを受け入れる中学校を見つけてきた。ところがそんな母の心配をよそにユカさんは中学受験に挑戦するという。早速勉強を開始したが、ユカさんの遅れは大きなものだった。漢字の勉強も手つかずのまま。「楽ちん堂」では常連さんが子どもたちに勉強を教えてくれる。あまり参加していなかったユカさんも慌てて教わるようになった。さらにはリモートで勉強を教えてくれる常連さんをつかまえる。秋になるとユカさんは「楽ちん堂」にほとんど来なくなった。冬になっても会えないまま。母親に聞くと「家で勉強している」という。年が明けて1月。取材班がようやくユカさんに会えたのは受験まであと1か月を切った頃だった。久しぶりに「楽ちん堂」にやってきたユカさん。すると家庭教師について勉強していた。受験勉強もラストスパート。以前のユカさんとは姿勢が違うが、どうしても気になるのは前髪。母・アイコさんは何度も「切ったほうがいいんじゃないの?」と言ったそうだが、ユカさんは「イヤだ」というそう。ユカさん親子はそのまま受験することを決めた。受験まであと数日と迫ったこの日、「楽ちん堂」ではみんなが段ボールを切ってユカさんに贈る「手作り絵馬」を作っていた。ユカさんは絵馬を受け取ると「名言集みたい。みんな書いてくれたんだね。喜べるテンションをもってきてなかったわ」などと言った。