名古屋駅は駅の構造が複雑で、初めて訪れる人の多くが迷ってしまうため“迷駅”という通称でも呼ばれている。名鉄名古屋駅ではその迷駅に名案内役を作ろうという取り組みが始まっている。名鉄名古屋駅は毎日約900本の列車が発着するが、線路は2本だけ。列車は最短2分間隔で発車する。列車は行き先ごとに停車位置を変え、色分けしたパネルを表示。床にも同じ色のテープを貼り、利用者にどこに並べばいいかを示している。耳が聞こえにくい人や外国人に情報を十分に届けるのは難しいのが現状。そこで始まったのが、アナウンスを見える化しようという実証実験。モニターにアナウンスの音声を即座に文字化して表示。さらにその場で英語や中国語などに翻訳する。開発したのは愛知県刈谷市に本社がある自動車部品メーカー。音声認識などの研究チームが工場で働く耳の不自由な従業員と、マスクをつけてもコミュニケーションできるようにと、アプリを作った。音を文字にするのはもちろん、AIが自動的に判断して、必要な情報や句読点を補う機能もついている。翻訳機能は現在31の言語に対応している。ホテルのフロントなどでの導入実績はあるものの、ホームのアナウンスで使うのは今回が初めて。AIをチューニングし、駅名や列車の種類に加え、アナウンスを担当する係員約40人の話し方の特徴を、半年かけて学習させたところ、認識精度は約97%まで上昇。来年3月までの実証実験で精度をさらに高めた上で、利便性も向上させようとしている。
