鹿児島市の海鮮料理店「魚食発信基地 オサカナばんざい」。店主は鹿児島大学水産学部4年生の西海晴さん。大学を休学し、今年2月、週に2日だけの自分の店をオープン。鹿児島県出身で小さい頃から魚が大好き。成長とともに魚への興味は増し、大学に入ってからは食べた魚の記録を付けるように。その数は280種類以上。その経験を生かし、未利用魚や低利用魚も扱う。先月、南さつま市の漁港を訪れた。店で使う魚は3か所から仕入れ、仕入れ先の漁に同行することも。漁師の長井洋将さんとは高校生の時の課外活動で出会った。西さんについて「若いけど行動力がある。自分がやりたいなと思ったらとことんやるタイプ」と話す。定置網に入った未利用魚・低利用魚を持ち帰ることもある。これらの魚は量がとれない・料理に手間などの理由から市場に出回りにくく値段がつかない。そんな魚を買ってもらえることは漁師にとってはありがたいという。さばき方や調理方法は独学。営業日2日前、店に魚が届いた。おまかせで発注しているため、どんな魚が入っているのか届くまで分からない。店は予約制で料理はコース提供。届いた魚を見て次の営業日のメニューを考えている。メニュー表も手作り。さらに料理の準備も全て1人で行う。間借り先の飲食店が営業していない時間に準備するため夜中になることも多い。迎えた営業日。雨の中10人のお客さんが訪れた。営業日だけは友人が手伝いに駆けつける。お客さんの目の前で調理し、友人の助けを借りながら一品ずつ提供していく。コースの料理は8品。揚げたり、蒸したり、様々な食べ方で魚を味わえるメニューにしている。西さんの話やメニュー表に興味津々のお客さん達。ゆっくりと魚を味わっていた。西さんは「けっこう魚についての会話もできたのですごく楽しい営業時間だった。お客様により魚食の楽しさを感じてもらえるお店にしたい」と話した。桐谷は「子どもの頃の好きって気持ちって大人になると薄れていきがちだと思うんですけど、その気持ちを持ち続けて突き詰めているというのが本当に素敵だなと思いますし、それが漁師さんを助けたり、食べに来る人の笑顔につながっていたりするので、気持ちを持ち続けるって改めて大事なんだなと思った」等とコメント。