パリ五輪 自転車トラック競技には6種目あり、佐藤水菜が得意としているのは短距離種目のケイリン(1500m)。金メダルが期待される佐藤の勝利へのカギは「1度しかない勝機を見極める」。駆け引きの中で必ず1度だけ1着を獲れる瞬間が訪れる。それを逃さないことだという。それが実現したのがアデレードで行われた今年2月の「ネーションズカップ第1戦 ケイリン決勝」。残り400mで4番手の位置にいた佐藤は先頭選手が遅くなる直前のタイミングを狙っていた。先頭選手はラストスパートに向け体力を温存するために一度ペースを落とす。後方選手との駆け引きも含み、その隙を突いて抜き去ったという。中野浩一はことを決めたら躊躇なく行くと佐藤を評した。佐藤は“五輪の凄さがまだわかっていない。立ってみないとわからない。頑張って登っていく”と決意を述べた。