今ヨーロッパでは、NATOによる冷戦終結後最大規模の軍事演習「ステッドファストディフェンダー(不動の守護者)」が行われている。演習の主な地域は、ロシアからの攻撃リスクが最も高いとみられるバルト三国をはじめ、増援の拠点であるドイツ、ノルウェー、ルーマニア。NATOの国防費について、2月のトランプ前大統領の発言が波紋を広げた。トランプ前大統領は「NATOに加盟する大国の首脳が立ち上がって、『国防費を十分に支払わないままロシアに攻撃されたら、米国は我々を守ってくれるのか』と聞いてきた。『守らない。むしろロシアにやりたい放題するようけしかけるだろう。国防費を払わなければならない』と言った」と話した。NATOは加盟国が攻撃を受けた場合、NATO全体への攻撃とみなし、攻撃された国を加盟国が防衛する義務を負っている。しかしトランプ前大統領は「自分たちで国を守る努力をしない国は守らない」とした。11月に米国大統領選挙が行われる。「もしトラ」が実現すれば、ヨーロッパの安全保障に大きく影響するのではと、警戒感を募らせている。フランス・マクロン大統領は、欧米によるウクライナへの部隊派遣に含みを持たせた。さらにマクロン大統領は「ロシア軍がウクライナで敗北しない限り、EUはロシアの侵攻という『存亡の危機』の立たされることになる」と語った。こうした中、リトアニアにドイツ軍が駐留することになった。2027年までに戦闘体制を整える。リトアニアはロシアとどう向き合っていこうとしているのか。