世界に衝撃を与えたアメリカのトランプ政権によるベネズエラへの軍事作戦から、まもなく1か月。マドゥーロ大統領の拘束という目標達成に不可欠だったと指摘されているのが、CIA(中央情報局)の諜報活動。CIAに28年在籍し海外での諜報活動やスパイの育成に携わったジョン・サイファー氏は、今回の作戦について「特殊部隊の拘束能力は、情報機関との連携により洗練された」と評価した。衛星写真を分析すると、アメリカ軍は標的を特定してピンポイントに攻撃を行っていた。標的とされたのはベネズエラ軍の対空ミサイルシステムで、さらに変電所や通信施設も攻撃して電気や通信を遮断し空から侵入しやすい状況が作り出されていた。そのうえでサイファー氏は、マドゥーロ大統領の居場所もアメリカは「事前に把握していた」と語った。マドゥーロ大統領が拘束されたとされるティウナ要塞では、アメリカ軍のヘリが着陸したとみられる地点の近くで大統領の護衛部隊をピンポイントで攻撃したことが伺える。サイファー氏はCIAが「ベネズエラの中枢にも協力者を獲得し、情報を得ていたからだ」と指摘した。今回の軍事作戦では、大統領を警護していたキューバの兵士が犠牲となった。長年ベネズエラを支えてきたキューバの衰退も追い風になったと、サイファー氏は見ている。作戦をめぐり「国際法違反だ」との批判を受けながらもアメリカの国益を最優先し、「力による平和」を推し進めるトランプ政権。サイファー氏は「今回のような軍事作戦は安易に繰り返すべきではない」と警鐘を鳴らした。
