1970年の大阪万博では顔認証システムが脚光を浴びた。今岡仁は同じ年に生まれ、無類のパズル好きだった。1997年にNECに入社し目立った成果は何一つあげられず、うだつの上がらないサラリーマンと化していた。バブルが崩壊し失われた30年に突入。業績悪化に伴い人員整理が盛んに行われ、今岡も顔認証開発チームに移動を命じられた。2001年9月11日、アメリカ同時多発テロで実行犯の一部は空港から入国し国境警備の脆弱性が顕となった。世界中の企業が顔認証システムの開発に乗り出す中、NECも8人の開発チームを結成。当時は認証率が70%で、笑うと別人と認識されることもあった。今岡は顔認証はパズルだと思い、骨格に近い部分に不変の特徴があることを見つけ出した。それらを線で結び顔を面で捉えると認証率は95%に急上昇した。
95%の精度では使い物にならず、一番怖いのは漏れ抜け。郵便番号の数字を自動的に読み取る技術開発を担ったチームリーダー佐藤は今岡に「コツコツとやっていこう」と話した。すでに実用化されていた指紋認証の精度は99.9%。静脈や虹彩など高精度な技術が次々と進化し、開発チームは2人に減らされた。アメリカ国立標準技術研究所の精度評価テストで結果を出せば各国の空港などで導入される可能性が高まる。
95%の精度では使い物にならず、一番怖いのは漏れ抜け。郵便番号の数字を自動的に読み取る技術開発を担ったチームリーダー佐藤は今岡に「コツコツとやっていこう」と話した。すでに実用化されていた指紋認証の精度は99.9%。静脈や虹彩など高精度な技術が次々と進化し、開発チームは2人に減らされた。アメリカ国立標準技術研究所の精度評価テストで結果を出せば各国の空港などで導入される可能性が高まる。
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