日銀・植田総裁は、今日国会で行われた閉会中審査に出席した。植田総裁は午前中に開かれた衆議院財務金融委員会で、今月5日に日経平均株価が過去最大の下落となるなど、株価が乱高下したことについて「米国経済の減速懸念が急速に広がったこと」や「日銀の金融政策の変更も円高が加速した要因になった」という認識を示した上で「内外の金融資本市場は、引き続き不安定な状況にあると認識」と述べ「今後も緊張感を持って市場の動向を注視していく」考えを示した。午後に開かれた参議院財政金融委員会では、追加の利上げを決めた直後の記者会見で、植田総裁がさらなる利上げの可能性に言及したことと、その後、内田副総裁が講演で「金融資本市場が不安定な状況で利上げをすることはない」と述べたこととの整合性について「金融政策運営の考え方について、私と副総裁の間で違いはない」と述べた。気になる市場の動向の注目は、まもなく米国で行われるFRBのパウエル議長の講演である。今後の利下げの幅や景気の認識について、どのように言及するのか、円相場や株価にも影響を及ぼす可能性があるだけに関心が高まっている。