SMBC日興証券の野地慎氏によるきょうの為替相場の予想レンジは「146.50円~148.00円」。トランプ政権が各国に追加関税を付加する中、各国との交渉に関する報道、特に日米の通商交渉に関する報道でドル円が変動することもありそうだ。注目ポイントは「インフレで景気減速となればドル安が進む」。雇用情勢の緩やかな減速を理由に、9月以降FEBが利下げを再開するとの期待も根強く、ドルの重しとなっている。物価高の中で利下げが再開される公算が高いが、重要なのは為替市場において実質政策金利が重要視される点。実質金利は来年に向けて大きめの低下が予想される。日銀の展望レポートによると、日本のコア消費者物価は2026年度に向けていったん2%を割り込む見通し。円の金利市場では今後1年間で1回、2年間で2回程度の利上げ期待が織り込まれている状態。我が国ではこれからの1年で実質政策金利が相当に上がる見通しとなる。アメリカで物価上昇の中で利下げが行われ、日本で物価の伸びが弱まる中で利上げが行われると、実質金利差の急激な縮小を介して一定の円高圧力がかかると予想される。