大和証券キャピタルマーケッツアメリカ・矢澤さんは「四半期末を通過し、需給的な不透明要素が解消されたことがナスダックが堅調な値動きとなった要因。特に堅調な業績が期待されるIT大手に資金が集中し、大手証券が強気な見方を示したエヌビディアを筆頭に、アルファベットやAmazon.comなどが上昇した。ただし週末に成立したつなぎ予算はやや盛り上がりに欠けた印象。また、FRB・ボーマン理事が複数回の追加利上げを示唆した中で金利上昇も進み、全般的な買いには繋がっていない。また、今週は雇用関連の経済指標が多く発表される。きょうは9月のIMF製造業景気指数が発表されたが、雇用指数は4ヶ月ぶりに拡大・縮小の節目となる50を上回っており、引き続き強い雇用環境が示されている。今週は火曜日に雇用動向調査、水曜日にADP雇用報告、金曜日に雇用統計が発表されるが、今後の政策金利の道筋を見極める上で要注目」と話した。株式相場については「9月のFOMCでFRBが24年の政策金利見通しを0.5ポイント引き上げたことにより、引き続き金融政策、インフレに関連する経済指標に対し神経質な展開が続くとみている。一方、雇用統計やCPIの発表を通過すると今月後半からは決算発表が本格化する。現在の7-9月期のS&P500構成企業の増益率予想は1.0%のマイナスで4-6月期と比べて改善する予想。さらにその次の四半期にはプラス転換が見込まれる。決算期に見通しに対する前向きな見方が出てくることにより徐々に上向きを期待できる環境に移っていくと想定している」と話した。