ベアボック外相の意向が反映されていればドイツが初めてまとまた中国戦略の文書はもっと早く発表され、その内容ももっと厳しいものになっていた。外相は中国を最も批判的にみている閣僚。ベアボック外相は「中国は内に対して抑圧的、外に対して攻撃的。中国は変わった。これを受けドイツは中国政策を変える必要がある」などと話した。一方、中国指導部はドイツをパートナーと見ている。しかしドイツの中国戦略は巨大な国・中国の台頭をパートナー・共謀の相手・組織的なライバルと位置づけている。ドイツ政府はドイツの産業が中国の指標と中国からの輸入に大きく依存していることに懸念の目を向けている。ヨーロッパ連合は中国からレアアースの98%、特定の抗生物質の97%、マンガン83%を輸入している。政府は当初は穏やかな圧力で、その後は強力な圧力で経済界が向きを転換する方向へ動かそうとしている。ショルツ首相は「ドイルつがもっと広い土台に立つようにする。サプライチェーンと重要な原料の供給網を多様化する。リスクは減らすが切り離さないというドイツの方向性を中国は即座に駐ドイツ大使を通じて「イデオロギーによる偏見と競争への不安に基づいてデリスキングを強要するのは非生産的であり、リスクを意図的に増大させるもの」と話す。ドイツは自らの価値観と豊かさを損失することなく中国と折り合う方策を探している。