USスチールの買収について長内厚氏の解説。USスチール買収提案は競合する中国へのメーカーへの対抗策にも見える。近年では中国国内の景気低迷によって中国の鉄鋼ビジネスが減少傾向にある。更に中国で過剰生産された粗鋼がアジア諸国に流れ始め市況が悪化。そこにアジア以外に大きなマーケットとしてアメリカを確保したいというのが日本製鉄の狙いと考えられる。アメリカ政府などは日本製鉄による買収によってアメリカ国内の鉄鋼産業の縮小につながることを懸念している。これに対し日本製鉄は米国内の鉄鋼生産への投資を表明している。日本製鉄は高い技術力を持ち、USスチールは高効率な生産施設などのメリットを有している。EVを巡って日米と中国の競争が激しくなる中で日本とアメリカは同じサイドにいるといえる。