小学校教師のフランチェスカさんはマンションを15年前に購入し、2200万円のローンを返済してきた。しかし、変動金利でローンを組んでいたため、この1年ヨーロッパ中央銀行が利上げをする度にローンの金利上昇し、月の支払額が増え続けている。フランチェスカさんはこのままではローンを返せなくなると不安を抱えている。購入時、銀行からは強く変動金利を勧められた。支払いの猶予などを求めたが断られたという。イタリアでは約100万世帯が返済金利の上昇に苦しんでいるとされる。一方、民間銀行の儲けは急拡大している。大手銀行の金利収入はことし上半期で50%増加した。ドイツでは建設業界に影響が出ている。急激な利上げで新規の住宅購入が大幅に減少し、ことし上半期の住宅着工件数は前年比で30%近くも減った。分譲住宅を手がけるマルティン・ドルニーデン社長は低金利を当て込み、無理な投資に走りすぎたと指摘した。住宅ローンを扱う会社では契約数が前年の8割以下に激減したという。不動産開発業協会のディルク・ザレフスキー会長は之以上の利上げは見送るべきだと主張している。