効果が期待できる新薬があるのに使えないという喜多功さんは6年前に難治性のがんと診断された。日本には有効な薬が存在せず、3種類の抗がん剤を試したが効果はあがらなかった。海外には喜多さんのがんに効果が期待されている新薬が存在する。設立から日の浅いアメリカのバイオ企業が開発し、4年前に承認された。治験では8割の患者のがんが縮小し、喜多さんおがんに効果が期待されている。薬の値段は日本円で月500万円以上。現在、この薬は日本の保険制度の元では使えない。製薬会社から保険適用に必要な手続きがとられていないため。個人で輸入することはできるが、高額な費用を自己負担する必要がある。日本の保険制度で使用できない新薬は増加している。アメリカで承認された抗がん剤の7割近くが日本では承認されていない。なぜ日本に新薬は届かないのか?
海外の製薬会社に勤めた桂淳さん。背景の1つには新薬を生み出す担い手が大手のグローバル企業だけでなく新興企業にも広まったことがあると指摘する。従来、新薬作りを主に担っていた大手グローバル企業、日本支社を通じて申請して治験・販売するのが一般的だった。一方、近年台頭してきた海外の新興バイオ企業は歴史が浅く資金が潤沢ではないため、多くが日本に拠点がない。日本での治験や販売にノウハウもないため申請が見送られ、患者に薬が届かないという。この会社ではこうした事態を解決するため有望な新興企業を誘致しようとしている。この日、面談したのはイギリスの新興バイオ企業だったが、日本への参入は時間をかけて検討するという結論にとどまった。
がんの新薬が使えずにいる喜多さん。今使えるのは従来からある抗がん剤だけ。望むような効果を期待するのは難しく徐々に悪化してきている。
海外の製薬会社に勤めた桂淳さん。背景の1つには新薬を生み出す担い手が大手のグローバル企業だけでなく新興企業にも広まったことがあると指摘する。従来、新薬作りを主に担っていた大手グローバル企業、日本支社を通じて申請して治験・販売するのが一般的だった。一方、近年台頭してきた海外の新興バイオ企業は歴史が浅く資金が潤沢ではないため、多くが日本に拠点がない。日本での治験や販売にノウハウもないため申請が見送られ、患者に薬が届かないという。この会社ではこうした事態を解決するため有望な新興企業を誘致しようとしている。この日、面談したのはイギリスの新興バイオ企業だったが、日本への参入は時間をかけて検討するという結論にとどまった。
がんの新薬が使えずにいる喜多さん。今使えるのは従来からある抗がん剤だけ。望むような効果を期待するのは難しく徐々に悪化してきている。