ニューヨーク証券取引所から明治安田アメリカ・長谷川悠貴さんが解説。長谷川さんは「きのう発表されたCPIによって、インフレ再加速と追加利上げに対する懸念が払しょくされた流れを受け、3指数とも上昇し、最高値を更新していた。午後に入ってからは利益確定売りが出たことで上値は重く、S&P500は小幅にマイナスで引けた。ウォルマート2−4月期決算は、調整後の1株利益が予想を上回ったほか、2025年1月期通期見通しを上方修正し、株価は+7%となった。オンラインの売上高はテンポピックアップとデリバリーの需要が好調で前年比+21%となり成長に寄与。オンラインサイト上での広告主が増えたことで、広告収入も業績に貢献。主力の米国事業の既存店売上高は、前年比+3.8%増と市場予想を上回った。平均客単価が前年比で横ばいだったが、長引くインフレを背景に安価な商品の需要が増加した結果、高所得世帯の買い物が増え客足が伸びた。ニューヨーク連銀の調査によれば、1‐3月期のクレジットカードの延滞率は前期から0.4ポイント上昇し、2011年ぶりの高水準。カード債務残高も過去最高水準、クレジットカード延滞率は、ミレニアルやZ世代で高いことから、低所得者層の会計が逼迫していることが示唆されている。米国経済はまだ堅調との声もあるが、ローエンド製品、サービスを提供する企業は引き続き注意。来週以降に決算を発表するターゲットやコストコにも注目している」などと述べた。