吉川さんの解説。吉川さんは「製造業の景況感が回復している材料が増えてきている。銅の価格が今年に入ってから上がってきている。銅の価格は製造業の生産活動と関わりが深いと言われており。これが強くなってきているということは世界的に生産活動が活発化してきていることを示していると考えられる。グローバルで非製造業と製造業をみると、パンデミック下では巣ごもり消費が盛り上がって生産活動が活発化した。コロナが終わって製造業が低迷している間、サービス機能が非常に強いという形で世界経済を支えてきたがここへ来てその変化が見え始めたと思っている。サービス業は緩やかな横ばいぐらいになる中で製造業が強くなってくると全体として景気は底堅い動きになってきていると思っている。今度は政治面のリスクが上がってきているというのが1つの特徴。戦争や紛争が言われることによって消費者が不安になって消費や投資をおさえる真理を通じた効果。10大メディアでどれくらい戦争や紛争などの言葉が使われているかを指数化した地政学リスク指数。今は250で推移し150ポイントほど上がっている。過去の景気の動きと合わせると米国の鉱工業生産が0.6ほど下がる。GDPは0.2~0.3悪くなる。原油価格は世界で見ると輸出している国はもうかる、日本のように輸入している国は多く払わないといけないのでコストがかかる。本来はプラス、マイナスで一致のはずだが、原油価格が上がると景気が悪くなる。日本のように輸入している国は電気代とかガソリン代が上がる、すると消費を削る。原油価格が上がった分の半分ぐらいは消費に響く。産油国は儲かったお金は企業のふところとか王族の貯蓄にまわる。すると支出に回るのは2割程度。消費国では5割ほど消費が落ち込むのに対し2割しか使わないため、GDPで0.2~0.3%景気を悪くする。ここ数日間見ているとイスラエルイランともにあまり大規模な紛争にはしないようにしたいという反応を示しているので、このままいくと原油価格は今90ドルちょっと手前ぐらい。原油価格が100ドルを超えて定着すると心理的な影響に原油高のマイナスが加わり失速はしないが回復は緩慢になる。楽観視はしているが警戒しながら見ている」などと述べた。
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