トランプ大統領による施政方針演説では、関税をめぐり、同盟国軽視とも言われる姿勢が顕著に現れた。韓国について、トランプ氏は、韓国の平均関税率は4倍も高い、アメリカは軍事面などで多大な支援を韓国に行っているが、これが現実だなどと述べた。韓国政府はきょう、声明を発表し、アメリカとの間では、FTAを結んでいるためほとんどの関税が撤廃されていると反論した。米韓両国の貿易とは異なる枠組みの関税率に言及している可能性があるとして、トランプ政権に説明しているとしている。トランプ氏は、アメリカ・ロシア・中国という大国が支配する国際秩序を描いているとの見方が出ている。ウォール・ストリート・ジャーナルは、アメリカが南北アメリカ大陸を支配し、ロシアがヨーロッパ大陸を支配し、中国が太平洋地域を支配する、そのような地球を分割する取引をトランプ氏はロシアや中国と望んでいるのだろうかと伝えている。フィナンシャル・タイムズも同様の内容を掲載している。ロシアでも、現代のヤルタ会談を目指す考えとして、「ヤルタ2.0」が話題となっている。ヤルタ会談は、第二次世界大戦末期に、米ソ英の首脳が当事国抜きでドイツの分割など、戦後の構図を決めた会談。クリミア・ヤルタでは先月、ロシアのアーティストが企画した「ヤルタ2.0」のあーとの展示会が行われた。ロシアによるウクライナへの侵攻も、プーチン氏がウクライナ抜きでトランプ氏と直接話をつけたい思惑があると報じられている。一部メディアは、トランプ氏に対し、世界観を示すように訴えていたが、きょうの演説では明らかにしなかった。