そもそもアメリカにとってEUとの関税交渉はどれぐらい重要なのか?貿易総額の推移でみてみると1999年度からずっと1位を維持していて、2024年度では9820億ドルと、2位の中国に倍以上の差をつけて圧倒的な1位となっている。そんな中で貿易赤字に目を向けると現時点では中国に次いで2位だが、早晩EUとのはアメリカにとって最大の赤字国になる可能性が高いとみられている。それほどアメリカにとってはEUとの交渉は重要性がある。しかし現在交渉の進捗が見えてこいない理由としては、トランプ大統領は2国間交渉を得意としていてEUは“異形の交渉相手”と表現しているようにやっかいなカタチとなっている。トランプ大統領がEUはと関税交渉をしたいとなった時、交渉相手は各国政府ではなくてEUROの行政府である欧州委員会となってしまうが為替に関しては自国通貨を持っている国もあって交渉相手が変わってくるのがやっかいとなっている。交渉するにはまず欧州委員会が意志を決めないといけないし、その意志を決めるにはEURO首脳会議で意見を集約しないといけないので手続き論としてEUROに構っていると時間が足りなくなるのがポイントとなっている。今後注目したい点はEUは現在貿易相手の多角化を進めていてアジアや中南米とは接近しているし、中国の李強首相とも電話会談を行っている。