実習に反対する声に対して、かつて「この学校潰れるで」と言ってきた清水教諭が「俺も面倒みますよ」と声をあげた。清水さんは小坂さんのやる気にかけてみようと考えていた。地元漁協関係者に顔が広かった清水さんが実習の話をつけてきた。実習当日、生徒たちはキビキビと動き、褒められると笑顔を見せた。実習で知り合った漁師たちからエチゼンクラゲの大量発生に困っていることを知った西さんたちは、エチゼンクラゲを粉末化してコラーゲンを抽出することに成功した。にがりの成分も見つけ出し、豆腐を作り出した。研究成果は北陸の水産高校が集まる発表大会で最優秀賞を受賞し、そのニュースは瞬く間に広がった。2年後に始まった海の水質を海藻で改善する研究では、小坂さんは生徒の研究に付き添い寝る間も惜しんでレポートをチェックした。全国の水産高校が競う大会で頂点に立った。しかし優勝した生徒が卒業後、会社に行けなくなったことを知った。小坂さんが理由を尋ねると「先生みたいな人がいなければ僕は何もできない」と言われた。小坂さんは、優勝を目指すために生徒のレポートを真っ赤に修正していた。