パリのグランパレから中継。現在も大会に向けた工事が行われている。1900年のパリ万博の会場として建設され、長さ200m、高さ最大45mの空間があり、五輪ではフェンシングとテコンドーの競技が行われる。3年前から大規模な改修が行われ、天井のガラスも手作業で1枚1枚磨き上げられた。競技会場の95％は既存施設の活用や仮説で賄い、五輪が掲げる持続可能な大会というビジョンにつなげる狙いがある。
グランパレでは改修の際、床下にパイプが張り巡らされた。水を通すことで屋内の温度を下げる効果が期待されている。大型エアコンを導入するより環境面の負荷も少ない。観客席は主に仮説で設置され、大会終了後は撤去される。選手や食事にも環境について配慮されており、組織委員会は1食あたりに排出される温室効果ガスの削減を抱え、大量の温室効果ガスを排出する牛などの肉類を使わない料理の提供を増やすことにしている。観客やボランティア向けには半分程肉類を使わないようにする他、選手村でもそうした料理を増やすことにしている。
環境に負荷をかけない大会を目指すことについて。近年五輪を巡っては巨額な経費が問題視され、将来的に開催地に立候補を希望する都市が減ることも懸念されている。。大会での最大の課題は警備で、フランスでは先月、ロシアで起きたテロ事件を受けて、全土で警戒レベルを最高水準に引き上げた。大会期間中には1日3万人の警官らが動員され、競技会場の警備にあたる。今回は大会史上初めて開会式をスタジアム外で行い、選手が船に乗ってセーヌ川を入場行進する演出を計画しているが、テロの危険が高まった場合、スタジアムでの開催も選択肢に入るとしている。