パリオリンピックの開幕までまもなく1か月となるフランスで、マクロン大統領が大きな政治的な賭けに出ているという。鴨志田郷解説委員が「フランスでは今月初めに行われたヨーロッパ議会選挙で、極右政党がマクロン大統領の中道派に圧勝して、かつてなく勢いづいている。これに対してマクロン大統領は、あえて今、お膝元の国民議会を解散して、今月末に選挙を行うという大胆な策に打って出た。電撃的に選挙を行うことで野党に準備の時間を与えず、極右への危機感から投票率も上がって、小選挙区制度が与党に有利に働き、一気に巻き返しを図れるという読みがあったよう。しかし最新の世論調査では、極右政党になお勢いがあり、マリーヌルペン氏も打倒マクロンを叫んでいる。マクロン大統領はロシアの軍事侵攻を受けるウクライナに対して欧米各国の支援疲れが指摘される中、逆にウクライナへの軍の派兵を示唆するような積極的な発言を繰り返して物議を醸してきた。これに対してロシアのプーチン大統領は強く反発している。さらに昨今の中東情勢の緊張も受け、反イスラエル反欧米を掲げるイスラム過激派などによるテロへの警戒も強まっていて、フランスは空前の規模の警察官を動員して厳戒態勢でオリンピックに臨もうとしている」とスタジオで述べた。